理工学専攻応用化学領域

先端研究を通じて独創的・世界的人材を養成

有機精密合成化学、高分子合成化学、マテリアル化学、無機材料化学、電磁波化学、環境燃焼化学、プラズマ化学などの専門分野を通して幅広い研究・教育を行っています。学部で学んだ知識をもとに応用化学の分野で創造的な仕事ができる能力を培い、研究技術者としての指導力を養うことを目的としています。領域内には、有機合成化学、高分子化学、無機工業化学、工業物理化学、および環境化学工学の研究部門があり、各部門において大学院生は、日々の研究活動を行っています。

カリキュラムの特徴

博士前期課程では演習4科目4単位と講義12科目24単位を開講しています。上記自領域科目18単位と必修科目(大学院演習、研究指導、修士論文)および他領域科目を合わせた30単位の履修が修了条件です。

博士後期課程は、前期課程で修得した単位を含むことができ、同様に30単位の履修が修了条件です。また両課程とも社会人入学の制度があり、受け入れ体制が整っています。応用化学領域の修了者は前期、後期ともに多くが民間企業や公的機関の研究部門や教員などの職に就いています。

授与学位

  • 博士前期課程:修士(工学)
  • 博士後期課程:博士(工学)

取得可能な教員免許・免許教科

  • 中学校専修(数学/理科)
  • 高等学校専修(数学/理科/工業/情報)

※教員免許が取得できる専攻は、博士前期課程に限ります。また、1種免許状を取得済、あるいは1種免許状取得要件を満たしている教科のみ取得可能で、必ずしも全教科取得できるわけではありません。

応用化学領域の特色

博士後期課程3年で全員、博士

入学後は3年間の履修により、博士称号を得ています。通常、3年間の在学予定ですが、特に優秀な学生は2年次修了で学位取得が可能です。

刺激に満ちた論文発表会

応用化学領域では毎年2 月に領域研究室合同の修士論文発表会を開催しており、幅広い知識を有する研究者の育成を目指します。また、年間数十篇の論文発表・口頭発表を国内外で行っており、学生が多くの賞を受賞しています。

国際的研究拠点

上智大学の国際性を活かし、大学院でも科学技術英語、英語発表のスキルを向上させる講義やプログラムがあります。また、短・中期の留学、海外共同研究、国際技術交流を通して、学生の国際性を高めています。

修了生の最近の主な研究テーマ

  • 低環境負荷型強誘電体材料の低温・高速製造技術の開発
  • 金属酸化物薄膜材料の化学的溶液プロセシング技術の開発
  • 新規強誘電体薄膜材料の開発とマイクロ/ナノエレクトロニクス応用
  • 温度応答性ポリマーミセルを用いた水中での触媒反応
  • 高選択的触媒を指向した多座配位子と異種複核金属錯体の合成
  • 五員環アレン構造を有する有機金属化合物の合成と反応性
  • スーパーリーンバーンエンジンに最適化した次世代自動車用燃料の開発と評価
  • アンモニアを燃料とするカーボンフリーエンジン開発のため化学的アプローチ
  • バイオ燃料・e-fuel等の炭素循環型液体燃料の燃焼特性評価
  • 有機-無機ペロブスカイト化合物の構造制御と太陽電池応用
  • 人工骨材料を目指した生分解性ポリマー/ バイオセラミックス複合材料の開発
  • 水溶性π共役系高分子の合成と生体分子認識挙動の評価
  • 柔粘性イオン結晶を用いた蓄電デバイスの開発
  • セルロースヒドロゲルの作製と生体材料への応用
  • イオン伝導性高分子の合成と電解質としての評価
  • マイクロ波ソルボサーマル法を用いた高量子収率・高安定型カーボン量子ドットの合成および形状学的メカニズムの解明
  • 構造制御した高速プロトン伝導性高分子の開発と燃料電池への応用
  • 有機無機ハイブリッド半導体を用いた人工葉の開発
  • 金ナノ粒子アイオノマーを用いた光反応
  • 熱アシスト大気圧グロープラズマによるポリテトラフルオロエチレンの接着性改善
  • プラズマ処理と加熱圧着を併用した無接着剤ラミネート法の開発
  • 大気圧グロープラズマによる効率的粉体処理法の開発

教育の方針

博士前期課程

本領域では、応用化学および関連分野の発展に寄与し、専門知識を用いて人間社会の発展や地球環境の保全に貢献できる人材の養成を目的に、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。修了要件を満たし論文審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. 自分の専門分野以外の自然科学分野あるいは社会科学分野との学際分野も含め広範に学ぶことにより修得される、化学技術や化学物質が人間社会や地球環境に与える影響などを多面的にとらえる力
  2. 応用化学および関連分野において最先端で活躍できる専門知識、及び、持続可能な人類の発展に資する新しい化学製品・化学技術の開発や新しい化学工業分野の開拓をできる力
  3. グローバル化の進展に対応するため、社会で活躍できるレベルの英語力
  4. 研究論文や研究発表において、自分の研究を論理的かつ適切・明快な表現を用いて公表する力

博士後期課程

本領域では、応用化学における高度な専門性を身につけ、人間社会や地球環境に与える影響を総合的にとらえる学際性を持ち、自立して研究開発を遂行できる人材の養成を目的に、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。修了要件を満たし論文審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. 自分の専門分野だけでなく、関連する学際分野なども含め広範に学ぶことによって修得される、化学技術が人間社会や地球環境に与える影響を多面的にとらえる力
  2. 応用化学および関連分野において最先端で自立的に活躍できる専門知識、及び、持続可能な人類の発展や幸福に寄与する創造的な研究開発を行う力 グローバル化の進展の先頭に立ち、国際社会にて独立して活躍できるレベルの英語力
  3. 専門性が高く独創性のある研究を自ら行い、研究成果を広く社会に発信するとともに、学術的意義の高い博士論文を完成させる力

博士前期課程

応用化学および関連分野の発展に寄与し、人間社会の発展や地球環境の保全に貢献できる力を涵養するため、応用化学領域や他領域の科目を受講し、研究指導を受けさせる。

 

  1. 応用化学領域以外の領域、および理工共通領域の科目を受講することにより、自分の専門領域以外の分野について広く知識を得させる。
  2. 応用化学領域が提供する有機合成化学、高分子化学、無機工業化学、工業物理化学および環境化学工学などに関する科目を受講し、これらについて専門知識を得させる。また、特定のテーマについて研究を行い、このテーマと周辺について深い専門知識を得るとともに、研究の進め方、まとめ方、研究倫理などを学ばせる。
  3. 科学技術英語や英語で行われる科目の受講、研究成果の英語発表、英語論文の執筆などにより、英語力を向上させる。

博士後期課程

応用化学における高度な専門性と関連分野の広範な知識を有し、自立して研究開発を遂行できる力を涵養するため、演習を受講し研究指導を受けさせる。

 

  1. 自分の専門分野以外の学際分野などの学術論文や解説書などを精読することにより、これらの分野について広く知識を得させる。
  2. 自分の専門分野において教員の研究指導を受けながら集中して研究を遂行し、このテーマと周辺について深い専門知識を得るとともに、研究の進め方、まとめ方、研究倫理などを学び、研究の集大成として博士論文を提出させる。
  3. 得られた研究成果を国内外にて英語で発表し、また英語論文を執筆投稿し、必要に応じて海外の研究機関にて研究を行い、これらにより英語力を積極的に向上させる。

博士前期課程

本領域は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. 応用化学分野で勉学を行い、研究を遂行することに意欲的である学生
  2. 応用化学分野で勉学を行い、研究を遂行するために必要な物理化学、無機化学、有機化学などに関する基礎学力を有している学生

博士後期課程

本領域は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. 応用化学分野にて、自立して創造的な研究開発を遂行することに意欲的である学生
  2. 応用化学分野にて、自立して創造的な研究開発を遂行するために必要な専門知識と英語力を有している学生

教員一覧

内田 寛 教授

研究分野 [ 無機機能材料 ] ①エレクトロニクス用無機材料薄膜の高機能化・親環境化(誘電体・導電体)、②化学的手法による薄膜材料合成プロセスの開発(化学溶液法、水熱合成法、超臨界流体法)
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鈴木 教之 教授

研究分野 [ 有機金属化学に基づく有機合成化学 ] 有機金属化合物の特性を活かした新規な有機分子の合成と有機合成反応の開発、触媒機能を高度に制御する新しい反応場の設計と開発
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高橋 和夫 教授

研究分野 [ 化学熱力学・反応速度論に基づく環境化学 ] アンモニアを燃料としたカーボンフリーエンジンの開発、究極熱効率の実現のための新しい自動車燃料・添加剤の開発、環境にやさしい次世代自動車エンジン開発のための詳細反応モデル構築
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竹岡 裕子 教授

研究分野 [ 機能性高分子・材料化学 ] π共役系高分子、生分解性高分子など機能性高分子の設計合成と、センシング、発光材料、生体材料への応用。有機無機ペロブスカイト化合物を利用した次世代太陽電池の開発
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藤田 正博 教授

研究分野 [ 有機機能材料 ] リチウムイオン電池など蓄電池への応用を指向した新規材料開発、セルロース誘導体の環境調和型合成および生体材料、蓄電池への応用
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堀越 智 教授

研究分野 [ 電磁波化学 ] 革新的な機能性物質のグリーン合成、光触媒環境保全技術、水素エネルギー貯蔵、植物迅速育成などについて、光や電波などの電磁波エネルギーを用いて基礎研究を行う。企業等と共同で実用化研究を行う
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陸川 政弘 教授

研究分野 [ 機能性高分子 ] 新規な精密合成技術の確立と応用研究:グリーンケミストリーを利用した生分解性高分子、超分子組織体の合成、新材料を用いた先端的エネルギー(燃料電池)、医療(代替骨、バイオセンサー)、光材料(太陽電池、発光素子)への応用
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田中 邦翁 准教授

研究分野 [ プラズマ化学 ] 大気圧グロープラズマを用いた、シート状もしくは粉体状の固体最表面の化学的・物理的状態の改質、およびそれらへの薄膜堆積に関する応用研究
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横田 幸恵 助教

研究分野 [ 無機材料化学・プラズモニック光材料 ] 金属ナノ構造を用いたプラズモニック光機能材料と高感度ラマン分析チップの開発

上智大学 Sophia University