イスラームの名を冠した国内唯一の常設地域研究拠点
イスラーム地域研究所は、本学のイスラーム関連研究の連携と活性化を図り、国内のイスラーム地域研究の推進に寄与し、さらに世界大での研究の認知と展開を推し進めることを目指します。その上で、カトリック大学によるイスラーム研究を通して、諸宗教が共存する調和的な世界の構築につながる道を模索します。ここでのイスラーム地域研究とは、世界各地に生起するイスラーム関連の諸事象を取り上げ、状況の個別性を疎かにしない地域研究の手法をもって、時代と地域を超えてそれらを広く見通そうとする研究を指します。
この試みは、科学研究費補助金によって全国規模の「イスラーム地域研究」プロジェクトで上智大学が拠点の一つとなった1997年に始まりました。その後、2006年には後継プロジェクトが開始され、上智大学アジア文化研究所内に「イスラーム研究センター」が置かれました。この研究センターが時限研究部門の組織として2010年に独立し、2022年についに常設の研究所として名称も新たに設立されました。
主な活動内容
複数の研究プロジェクトによる課題性の高い共同研究を展開し、将来の学術雑誌化を視野に当面はSIAS Occasional Papersを刊行します。また成果を講演会、シンポジウムなどの催しや講演録SIAS Lecturesの刊行を通して、学生や専門家以外の人々にも還元します。2022年度は日本私立学校振興・共催事業団学術研究振興資金の採択を得て、共同研究「現代イスラームにおける公共性再構築をめぐる動態の研究」の推進を中核的な活動と位置付けます。