現代社会の重要課題に実証的に挑戦する研究拠点

社会学専攻には、家族・ライフコースの社会学、経済社会学、地域社会学、グローバリゼーションの社会学、ライフスタイル論、ジェンダー・セクシュアリティ研究、宗教社会学、政治社会学、労働社会学、社会的不平等の社会学など、幅広い専門領域を持つ研究者が所属しており、それぞれ現代社会の重要な側面を取り扱うバラエティー豊かな専門科目が開講されています。

これらの科目を組み合わせて学ぶことで、現代世界とその中の日本社会が直面する、グローバル化、情報化、格差社会化、少子高齢化、地球環境の悪化などの変化に付随して生じる社会問題の根源的なメカニズムを理解し、冷静な分析力と機敏な対応力を兼ね備えた人材の育成を社会学専攻は目指しています。

カリキュラムの特徴

博士前期課程では、将来の活動に備えて社会学の基礎的な力を養うことに重点を置いています。そのため、1年次において、社会学理論とデータ収集分析に関する科目を必修としており、先人の残した知識と現実を理解するとともに調査を実行し収集したデータを解析するために必要な能力を身につけます。続く2年次では、各自が設定したテーマに沿って修士論文を執筆する機会が与えられ、教員の指導を受けながら、既に習得した知識と能力を駆使して実際に研究が実行されます。

また、博士後期課程では、各自のテーマに沿って、博士論文の執筆、学際的研究の推進、関係学会における研究発表、学術雑誌や紀要への論文投稿に関する個人指導が行われます。このことを通じて、研究者として独立するために必要な専門的知識・能力の養成と資格・実績の獲得を目指しています。

授与学位

  • 博士前期課程:修士(社会学)
  • 博士後期課程:博士(社会学)

取得可能な教員免許・免許教科

  • 高等学校専修(公民)

※教員免許が取得できる専攻は、博士前期課程に限ります。また、1種免許状を取得済、あるいは1種免許状取得要件を満たしている教科のみ取得可能で、必ずしも全教科取得できるわけではありません。

社会学専攻の特色

幅広い交換科目

大学内における他研究科・他専攻(社会福祉学、教育学、心理学、法学、経済学、国際関係論など)が開講している科目も受講できます。

バラエティーに富んだ人材

社会学専攻に在籍する大学院生は、他大学や他学部の出身者など、出身がバラエティーに富んでいるという特徴があります。

研究者から企業人まで多彩

博士後期課程の修了者の多くは研究者として活躍していますが、最近は、シンクタンク、出版社などに就職する者も少なくありません。社会学専攻修了者は広く社会で活躍するケースが目立ちます。

大学院生も発表できる学術雑誌

社会学専攻では年1回『社会学論集』を発行しています。他に発表されたことのないものに限り、社会学専攻に在籍する大学院生も原稿を寄稿することができます。

修了生の最近の主な研究テーマ

  • アート・クリエーションが生成され発展するプロセス
  • 台湾におけるインドネシア人家庭内介護労働者
  • インターネットオークションにおける信頼と情報の評価
  • 中国における「ヴィジュアル系」ファンのコミュニティ特権— トランスナショナルカルチャーのファン文化について —
  • アウシュヴィッツの解消しきれぬ二つの残余
  • 政党活動参加者の社会学的分析 — 政治的社会化と転機の検討を通じて
  • シンガポールの観光政策
  • 子育て世帯夫婦における母親の就業と父親の家事・育児参加
  • 日韓女子大学生の政治意識と政治参加
  • 報道被害問題の要因と解決策
  • 中国の近代化の発展と宗教世俗化
  • 観光地化の主体と媒体
  • 選択的夫婦別姓制度を支える言説構造 — 賛成意見の計量的、質的分析 —
  • 働く高学歴20代未婚女性のライフコース選択
  • 中国における自発的無子に関するスティグマ研究 —当事者たちのライフストーリーに注目して
  • なぜ自衛官になることを選んだのか
  • セキュリティタウンの物的/社会的基盤
  • 北方領土の返還運動
  • 東京におけるニューカマー 中国人起業家

教育の方針

博士前期課程

本課程では、人間の尊厳を守る公正な社会の実現に向けて、社会が直面する様々な変化やそれに付随して生じる社会問題の根源的なメカニズムを理解し、冷静な分析力と機敏な応用力を兼ね備えた人材の養成を目的とし、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。修了要件を満たし論文審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. 専門分野における高度な理論的及び経験的知識を理解する力
  2. 社会変動や社会問題について社会学的な研究課題を設定する力
  3. 社会学的な研究課題に対して適切な研究方法及び分析手法を提案する力
  4. 自らの主張を論理的に整理して的確に伝え、修士論文としてまとめる力
  5. 研究課題の達成を通じて現代世界における多様な価値の共生に資する力

博士後期課程

本課程では、人間の尊厳を守る公正な社会の実現に向けて、社会が直面する様々な変化やそれに付随して生じる社会問題の根源的なメカニズムを理解し、研究者としての冷静な分析力と機敏な応用力を兼ね備え、また、高度な理論的知識や方法論的技術を駆使して研究論文をまとめる力量を備えた人材の養成を目的とし、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。修了要件を満たし論文審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. 専門分野における高度な理論的及び経験的知識を独自に整理し運用する力
  2. 社会変動や社会問題について独創性を有する社会学的な研究課題を設定する力
  3. 社会学的な研究課題に対して適切な研究方法及び分析手法を提案し、高度な水準でそれを実施する力
  4. 自らの主張を論理的に展開して国内外に広く発信し、博士論文としてまとめる力
  5. 研究を通じて現代世界の福祉と創造的進歩に資するような結論の提示または政策を提言する力

博士前期課程

本課程では、ディプロマ・ポリシーに沿って、社会現象のメカニズムを分析・理解する能力を獲得するために、社会学理論と社会調査法の基礎科目および現代社会の重要な諸側面を扱う幅広い専門科目を配置して、以下のようにカリキュラムを編成しています。

 

  1. 理論的及び経験的知識の修得のため必修科目である社会学理論及び専門科目を1年次春学期から配置する。
  2. 社会学的研究課題を設定する能力の修得のため必修科目である社会学方法論及び関連専門科目を1年次春学期から配置する。
  3. 社会調査法の知識と運用能力の修得のため必修科目である社会学方法論及び専門社会調査士科目を1年次秋学期から配置する。
  4. 修士論文執筆と口頭報告の能力の修得のため2年次春学期から指導教員による論文演習及び合同研究報告会を配置する。
  5. 研究を現実の社会問題に応用する能力を修得するため専門科目においてディスカッションや実習を実施するとともに、関連学会への参加を促進する。

博士後期課程

本課程では、ディプロマ・ポリシーに沿って、社会現象のメカニズムを高度な水準で分析・理解し研究論文を執筆する能力を獲得するために、社会学理論と社会調査法の科目および現代社会の重要な諸側面を扱う幅広い専門科目を配置し、以下のようにカリキュラムを編成しています。

 

  1. 博士論文執筆に必要となる高度な理論的及び経験的知識の修得のため専門科目を配置する。
  2. 専門的研究課題を設定する能力の修得のため専門科目を配置する。
  3. 高度な社会調査を自ら実施する能力の修得のため専門社会調査士科目及び関連専門科目を配置する。
  4. 博士論文執筆と内外の学会での口頭報告の能力の修得のため指導教員による研究指導及び合同研究報告会を配置するとともに、関連学会での報告や学会誌への投稿を促進する。
  5. 研究を政策的提言に応用する能力を高めるため学際的研究と関連学会での研究発表を促進する。

博士前期課程

本課程は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. 人間の尊厳を守る公正な社会の実現に向けて、自らの関心を学問的に深め、実践の場で発信しようとする目的意識を有する学生
  2. 社会学の知識を幅広く修得しようとする強い意欲と、社会現象に多角的に接近する柔軟な思考力を備える学生
  3. 前期課程における専門教育を受ける上で必要となる知識と学力ならびに論理的思考力と表現力を有する学生

博士後期課程

本課程は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. 人間の尊厳を守る公正な社会の実現に向けて、自らの関心を高度な水準で学問的に深め、実践の場においても発信しようとする目的意識を有する学生
  2. 社会学の知識を高度な水準で修得しようとする強い意欲と、社会現象に多角的に接近する柔軟な思考力を備える学生
  3. 後期課程における専門教育を受ける上で必要となる社会学の知識ならびに論理的思考力と表現力を有する学生

教員一覧

今井 順 教授

研究分野 [ 経済社会、雇用と不平等 ] 新制度論に基づき、雇用関係やその社会的不平等との関係について研究を行っている
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田渕 六郎 教授

研究分野 [ ライフコース・世代・家族 ] 家族やライフコースに関わる現象を量的方法、質的方法により研究している
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中澤 秀雄 教授

研究分野 [ 地域社会学、環境社会学 ] 地域・環境社会学を足場に、まちづくりや資源エネルギー、災害復興について研究を行っている
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芳賀 学 教授

研究分野 [ 宗教社会学、文化社会学 ] 現代日本の新宗教、精神文化、学術出版、祭りなどに関するフィールドワークを行っている
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藤村 正之 教授

研究分野 [ 現代生活変容と社会政策 ] 人々の「生」のあり様と社会政策、背景たる社会変動との関係に関する研究を行っている

石井 由香理 准教授

研究分野 [ ジェンダー・セクシュアリティ ] 現代社会における性、ジェンダーに関わる自己像と規範についての研究

猿谷 弘江 准教授

研究分野 [ 政治社会学、歴史社会学 ] 社会運動と社会変動、現在は社会運動空間の形成に関して理論的に検討している
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Carola HOMMERICH 教授

研究分野 [ Subjective Wellbeing,Social Inequality ] My research focuses on the interrelations of subjective and objective wellbeing in cross cultural comparison
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細木 一十稔 ラルフ 助教

研究分野 [ 国際移動・規範、人権 ] 越境する人々の権利の国内外規定要因の国際比較研究を行っている

上智大学 Sophia University