河野太郎デジタル大臣が来校し、データサイエンスを学ぶ意義と可能性について学生・教員と議論しました

講演する河野太郎大臣

7月5日、河野太郎デジタル大臣が本学に来校し、「デジタルとイノベーション デジタル大臣が語る新たな可能性」と題して特別講演会を開催しました。

本学は昨年度から「生涯学び続けるための基盤を身につける」新たな教育体系を「基盤教育」として導入し、その一環としてデータサイエンスの授業を全学部1年生の必修科目にしています。さらに今年4月、大学院に「応用データサイエンス学位プログラム」を開設するなど、学部・大学院ともにデータサイエンス領域の学びに力を入れています。

約480人と多くの学生・教職員が参加した
質問は専用フォームから寄せられた

はじめに河野大臣は、DXを進めることの意義や、今後のビジネスやイノベーションにデジタルがもたらす影響、そしてデジタル庁が担う役割について解説しました。「日本のIT企業、なかでもスタートアップはまだ世界的な成功を収めることができていない。いかに国内にとどまらず世界の市場を見ることができるかが重要だ」と日本のIT業界が今後目指すべき姿を提示しました。さらに、アナログでの成功体験とITベンターへの依存を例に挙げながら、直近20年で日本が世界に後れを取った理由について見解を述べました。

また、生成AIによるフェイクニュースの急増など、デジタル化が進むことで浮き彫りになる問題について言及。あらゆる分野でデジタル技術が基盤となる時代であることを示し、「技術によるリスクは技術で対応するしかない。文理の選択に囚われず、誰もがITスキルを身につけてほしい」と訴えました。

講演会場となった6号館101教室は在学生と教職員でほぼ満席になり、河野大臣は学生たちに向けて、グローバルな枠組みで物事を見ることの重要性を何度も強調し、「国境を超え世界標準で戦って、自分の可能性を試してほしい」と学生たちを激励しました。

左から近森由衣さん(経営4)、児島優希さん(理情3)、中田千紘さん(総心2)が学生代表として登壇
生成AIにまつわる学内利用調査結果がデータで共有された

後半は、基盤教育センター・データサイエンス領域長で経済学部の倉田正充准教授がモデレーターを務め、河野大臣と在学生によるパネルディスカッションを行いました。生成AIに関する学内利用調査の結果が共有されたのち、学ぶうえで生成AIとどう向き合うべきか、またAIが発達する今こそ学ぶべきことは何かについて意見を交わしました。

質疑応答では、会場から130件にも及ぶ質問が寄せられ、IT業界におけるグローバル市場と日本市場の相違点、高齢化が進むなかでのデジタル推進など、時間の許す限り河野大臣はひとつひとつ丁寧に答えてくださいました。学生たちにとっては、日本のデジタル化を主導する立場にある河野大臣と直接向き合い、日本のデジタルイノベーションの現状と課題やデータサイエンスを学ぶ意義などについての理解を深める大変貴重な機会となりました。

上智大学 Sophia University