1人では見られない広い世界が見たいから。

児玉 萌さん
経済学部経営学科4年

「価値観の異なる人々と協力して、1つの目的や目標を達成するような経験がしたい」その熱い想いは、経済学部経営学科の児玉萌さんを数々の留学先とクリエイティブなプロジェクトへと導いた。コロナ禍さえも味方につける児玉さんが歩んだ4年間の軌跡。

1人では出来ないことに国境や価値観を超えて挑戦したい

私が経営学科を選んだのは、組織運営の在り方や、1人では不可能なことが大勢の人の力で可能になる仕組みを学びたいと思ったからです。

自分が何かにチャレンジしたいと思ったとき、それを可能にするチャンスが日本国内に限らず世界にも広がっている。それが上智大学のいいところだと思います。私はかねてから、価値観の異なる人々と協力して、1つの目的や目標を達成するような経験がしたいと思っていたので、このチャンスを積極的に利用しました。

大学に入るまでは長期で海外に留学したことがなく、あまり広い世界というものを知らなかったと思います。でも、1年次にスタディーツアーでエストニアに留学したことをきっかけに、もっと広い世界を見てみたい、いろいろな人と交流してみたいという気持ちが生まれました。その後、大学から選抜されてワシントンDCに留学する機会にも恵まれ、その気持ちがどんどん大きくなって行きました。

経営学科の学びで一番印象に残っているのは、経団連と協定校の香港中文大学との連携講座。香港と日本を往来しながら、講座に協力してくださった日本航空の顧客獲得に関する課題解決にむけて、企業へのヒアリングや現地のビジネススクールの学生たちとチームを組んで取り組みました。英語の勉強は自分1人でもできますが、英語を使って何かを企画したり、ディスカッションを重ねたりということは1人ではできません。それが実際に香港のビジネススクールの優秀な学生たちとできたというのは、私の中でとても大きなことでした。

香港に行くのははじめてでしたが、同じアジアの国ということもあって、お互い共感できる部分が多く、あっという間に仲良くなって今でも連絡を取り合っています。

前向きなマインドセットで逆境を成長のチャンスに変える

その後、1年間の交換留学を予定していたのですが、コロナの影響で中止になってしまいました。でも、大事なことを諦めたような気持ちで大学生活を過ごしたくなかったので、所属していたゼミの仲間と、あるプロジェクトを立ち上げました。コロナ禍で集客に苦戦する居酒屋の営業時間外の空きスペースを活用すべく、リモートワークを推進する企業をつなげるマッチングサービスのようなものを企画したんです。プロジェクトにはワタミ株式会社に協力をいただき、同社が運営する「TGI FRIDAY’S五反田店」で5日間の実証実験を行いました。私を含めた4名のゼミ生がフルリモートで企画立案し、いろいろな居酒屋やその事業会社に電話をかけてアプローチ。最終的にワタミ株式会社に実験結果を踏まえた報告と提案をさせていただくところまでこぎつけたばかりか、ビジネスコンテストの大賞もいただくことができました。交換留学に行けなかった期間を使ってここまでやりきれたのは、4年間で一番印象に残っていることですね。

このプロジェクトも、香港中文大学とのプログラムへの参加も、経済学部同窓会である経鷲会の奨学金に採択していただいたものでした。先輩たちが私たちの頑張りをサポートしてくださるように、上智大学はチャレンジを歓迎し、応援してくれる雰囲気があります。

そして、この環境を存分に生かしていろいろな挑戦ができたのは、国内外の多様なバックグラウンドを持つ学生と交流したり、哲学科や神学科など他学科の授業を履修したり、先生方から日本や海外の事例を聞いたりする中で自分の関心がどんどん広がって、もっと広い世界を見てみたいという想いが強くなったからだと思います。その想いは、ラグジュアリーブランドのディオールが女性のエンパワーメントを促進する目的で開始したプログラムであるWomen@Diorへの参加にもつながりました。

いま関心があるのは、多様なバックグラウンドを持つ人たちと協力して社会に貢献するような活動です。大学生活を通して、自分とは違う価値観を持つ、さまざまな国の人たちと一緒に1つの目標に向かうという経験を重ねてきたので、これからも人と人をつなぐような活動を続けていきたいと思っています。

※この記事の内容は、2021年5月時点のものです

上智大学 Sophia University