今の私が目指すのは、人の日常に寄り添い、心地よい居場所をつくること

経済学部 経済学科
遠藤 綾さん

「授業や課外活動でさまざまな人と関わるうちに、好きなことをして働く楽しさや、人と関わり合うことに喜びを見出しました」と話す新潟県出身で経済学部経済学科3年の遠藤綾さん。学内外で交流の場を企画・運営するプロジェクトに携わる彼女が、大学での学びや活動を通じてどのようなことに刺激を受けて変化してきたのかを語ります。

「経済と食」をさまざまな角度から学ぶことで視野が広がった

私が大学を選ぶにあたって重視したのは、学びの内容と大学の雰囲気です。学びの面では、「経済と食」について、複合的に学んでみたいという気持ちがありました。「経済と食」の関係をさまざまな角度から考察し、食を通じてよりよい社会をつくるにはどうしたらよいのかじっくりと学びたかったのです。そのために、文理問わずさまざまな学部学科がある大学に進学したいと思っていたので、学部間の垣根が低く、他学部の授業が受けやすい上智の環境にとても魅力を感じました。実際、入学後に福祉や環境などさまざまな学部が提供する授業を履修しましたが、想像以上に幅広い知識を得ることができました。

また、上智のコンパクトなキャンパスと穏やかな雰囲気も気に入っています。私は新潟出身で、規模の大きな学校での学びや学校生活には慣れていなかったので、比較的少人数の大学を希望していました。上智は超都心に位置していますが、比較的少人数ですし、4年間自分のペースを保ちながら穏やかに過ごせそうと思ったのです。

東京の大学に進学して、地元との違いを感じるのは、人の多さとその多様さ。同年代でも、育ってきた環境や物事の考え方、価値観も全く異なる人たちと出会うことができました。高校時代に挑戦した活動や研究の話など、地元では聞いたこともないようなことに取り組んでいる知人もいて、彼らから刺激を受けることも多いです。また、四谷キャンパスはもちろんですが、常に英語や外国語が飛び交っているグローバルな雰囲気も東京ならではと感じています。

自由な一人暮らしだからこそ、勉強に集中できる環境作りを工夫した

東京での生活に関しては、元々東京にいた姉との二人暮らしを経て一人暮らしをするようになったので、大きな不安はありませんでした。私は一人で過ごす時間も大切にしたいタイプなので、大学生活とは離れて、自分一人で過ごす時間を大事にできる生活が魅力的に映りました。

一人暮らしの醍醐味は、家に友人を呼びやすいことですね。自宅で友人の誕生日会を開くなど、自由に家を使えるのは一人暮らしならではだと思います。

生活リズムを保つためのマイルールとして、自宅は休む場所であり自分の好きなように時間を過ごせる場所と決めています。勉強や課題、就職活動の準備などは、全部大学の図書館など外で取り組むようにして、家には一切持ち込まない。外では全力で課題に取り組み、自宅ではくつろぐことに専念するというように、メリハリのある生活を送ることを心がけています。家で課題などに取り組むと、のんびりやってしまって気づいたら時間だけが経っているということがあるのですが、大学の図書館であれば、周囲も勉強している中で「自分もやらなきゃ」という気持ちになるので、集中して取り組むことができるのです。

自分の経験が誰かの役に立つという経験から見えた将来の目標

大学では、有志による教職員と学生による「ピア・カフェ」プロジェクトに参加しています。このプロジェクトでは、学内外で上智大学に関わる人たちの交流の場をつくることをテーマに活動していて、オープンキャンパスの在学生相談やトークイベント、入学前の新1年生を対象とした交流イベントなどを企画・運営しています。

思い出深いのは、ある年のオープンキャンパスで「受験体験記」をテーマにした展示を企画したこと。上智大学にはさまざまな入試方式があるので、その方式や受験する学部によって対策が異なります。私自身1年浪人していたので、その経験を踏まえて受験生が本当に知りたいことを考え抜いて企画を進めました。その企画を見てくれた受験生や保護者の方から「役に立ちました、ありがとうございます」とお声がけいただいたんですね。その時、自分の経験が誰かのために役に立つというのを実感し、とてもやりがいを感じたんです。

学部では環境経済学のゼミに所属し、現在は新型コロナウイルス感染症が食料消費に与えた影響について研究をしています。最近はよりグローバルな視野でこのテーマについて考えるようになりました。

入学前の自分は、どちらかというと収入や業種など安定感を重視したキャリア志向だったと思います。でも、大学での学びやピア・カフェの活動を通して、好きなことをして働く楽しさや、人と関わりあうことに喜びを見出しました。人との交流を生み出し、心地よい時間を過ごすことができる場所づくりや、人の気持ちに寄り添えるようなキャリアを選択したい。大学生活で学んだこと、経験したことを十分生かして、社会に貢献したいと考えています。

上智大学を地元の名物・名所に例えると?

-信濃川の堤防「やすらぎ堤」

新潟市の中心部を流れる信濃川沿いに整備された堤防「やすらぎ堤」の雰囲気が、上智大学に似ていると感じています。「やすらぎ堤」では、季節によって春はお花見、夏はバーベキュー、冬はイルミネーションなどの多彩なイベントが開催されるのですが、それ以外にも、読書をしたり、日向ぼっこをしたりと、多くの人たちが思い思いに過ごしています。「やすらぎ堤」は地元の人たちの日常に寄り添いながら季節のイベントも楽しめるような場所。グローバルで多様な人たちが集い、自分のやりたいことに自由にチャレンジできる四谷キャンパスの雰囲気は、「やすらぎ堤」にと近いものがあると感じています。また、夏は浴衣デー、冬はシンボルツリーの点灯式やクリスマスマーケットなど、上智には季節を感じるイベントもたくさんある点も、「やすらぎ堤」との共通点と言えますね。

※この記事の内容は、2023年7月時点のものです

上智大学 Sophia University