「東京ドキュメンタリー映画祭2024」で新聞学科の学生が授業で制作した2作品が正式ノミネートされ、映画館で上映されることになりました

今回で7回目を迎えた「東京ドキュメンタリー映画祭2024」において、世界62か国から応募があった380作品から選ばれた49作品が11月30日から12月13日まで東京・新宿のK’s Cinemaで上映されます。このうち、文学部新聞学科の水島宏明教授のゼミでドキュメンタリー制作を学んでいる学生たちの作品2つも短編部門のコンペティション作品として劇場公開されます。

上映されるのは椋木りあんさん(新聞学科3年)が制作した「今日は、認知症」(20分)と、中野美子さん(新聞学科3年)が制作した作品「火の島」(22分)の2作品です。本学の学生作品が2本同時に正式上映されるのは昨年に続いて2度目の快挙です。

東京ドキュメンタリー映画祭の主催者は、椋木さんの作品を「いかにも都会のエスタブリッシュメントな環境が良い意味で描かれていました」と評価しています。また中野さんの作品については「ナレーションの巧さ、過不足が無く、画で説明するところと作り分けられている点に舌を巻きました」と絶賛しています。2人は作品が上映されるタイミングで観客の前でスピーチする予定になっています。

作品紹介 「今日は、認知症」

椋木さんが制作した「今日は、認知症」から

高齢者の8人に1人が認知症になる日本。監督である椋木りあんの祖母、椋木千代子(91)も数年前から急激に認知症が進み、じわじわと自分のことも認識できなくなっていた。それでも私の父は、天気やその日の体調にも左右される、認知症が生み出す逆境を楽しみながら過ごしている。ちょっと変わった介護を続ける、認知症患者を囲む家族たちの一コマ。

監督として同映画祭に参加する椋木 りあんさんプロフィール

2004年生まれ、東京都出身。上智大学文学部新聞学科3年生。水島宏明ゼミに所属しドキュメンタリー制作を学ぶ。本作以外には、明治神宮外苑再開発問題がテーマの「その声に耳を傾けて」(「地方の時代」映像祭奨励賞)、東日本大震災後の石巻の新聞社の奮闘を描いた「けっぱれ!~壁新聞のその先で~」などがある。

作品紹介 「火の島」

中野さんが制作した「火の島」から

1993 年、北海道南西沖地震が発生し、日本海に浮かぶ小さな島を巨大津波が襲った。あれから 31 年。島の歴史がまた1つ節目を迎えようとしていた──

過疎化と少子高齢化の一途を辿るこの島に 7 年前、若い家族が移住してきた。島内随一の限界集落でゲストハウスを営む、外崎雄斗さん。利便性や効率を求めて都市部に人口が集中するこの時代に、なぜ離島での暮らしを選んだのか。その答えを探すために雄斗さんの島での暮らしを追った。

監督として同映画祭に参加する中野 美子さんプロフィール

004 年生まれ、神奈川県出身。上智大学文学部新聞学科 3 年生。水島宏明教授のゼミに所属し、ドキュメンタリー制作を学ぶ。その他の短編ドキュメンタリー作品に、「今日もここから」(2023)、「まつぼっくりと牛丼」(2024)などがある。独特の視点の映像感覚がさまざまなコンクールなどで高く評価され、「まつぼっくりと牛丼」は第44回「地方の時代」映像祭の市民・学生・自治体部門で優秀賞に選ばれたほか、東京ドキュメンタリー映画祭で上映される「火の島」はあいち国際女性映画祭にもノミネートされて上映され、北海道国際映像祭でも上映された。


上智大学 Sophia University