物理的な音を表現する擬音語/擬声語(例:「ワンワン」「ニャーニャー」)と、実際には音が生じない状態や気持ちを表す擬態語(例:「キラキラ」「イライラ」)を総称した言葉であるオノマトペ。
経済学部経営学科で小阪 玄次郎講師のゼミに所属する学生たちが、卒業研究の一環として、「オノマトペ」が消費者の購買意欲に与える影響を調査する実証実験を行いました。この実験には、上智大学四谷キャンパスに出店するキッチンカー2社が協力し、5月から6月にかけて昼休みの時間に複数の実験が行われました。
企画したのは、経営学科4年の桐ヶ谷 帆香さん、吉原 英理佳さん、安井 拓巳さん、田中 小菜美さんの4人です。多くの食品企業が商品の差別化や販売促進のために、商品名やパッケージにオノマトペを採用するなど、オノマトペと消費行動の関係性については先行研究が多く実施されてきました。研究チームでは、その調査方法の多くがアンケート調査によるものであることに着目し、キッチンカーで販売するランチメニューを使った実証実験を企画しました。
実験は、チキンの唐揚げ弁当専門店とステーキ弁当専門店の2社の協力のもと実施されました。
オノマトペのない通常メニューの販売日と、「カラっと揚げた」「ピリっと香る」「こってり濃厚」など研究チームが考案したオノマトペが含まれた変更メニューの販売で売り上げを比較しました。また、購入に並ぶ学生たちへのヒアリングやアンケート調査も併せて実施し、オノマトペと購買行動についてのリサーチを重ねました。
その結果、食品メニュー名にオノマトペが付されることは購買行動にプラスに影響するものの、それは付されるオノマトペの種類にもよること、そしてメニュー看板等の文字フォントやデザインが均質で文字情報のみで意思決定する際にはオノマトペ効果が高まることが明らかになりました。
研究チームは、この結果を7月に実施された経済学部網倉久永教授のゼミおよび中央大学ビジネススクール生稲史彦教授と指導学生との合同発表会にて報告しました。
実証実験を振り返り、桐ヶ谷さんは「アンケート調査が中心に行われていた先行研究に対して、今回の研究では実際のキッチンカーにご協力頂き実証実験を行えたことで、意義のある研究になったと思います。また、メニューを見る時間に制限をかけた対面実験を行うと、結果が変わる可能性があるとも感じました」と話しています。