栃木県出身で文学部史学科3年の篠原諒丞さんは、高校時代からトランペットを始めた。故障で大好きな野球から離れるも、応援は続けたいという思いから始めた音楽。「演奏するうちにもっと音楽のことを知りたくなって、歴史的な側面から音楽を学ぼうと決意した」と語る彼が、東京で得た気づきとは。
アクセス抜群な立地とじっくり学べる環境が上智の魅力
私は高校までずっと栃木で暮らしてきたこともあり、地元から離れた場所で暮らしてみたいと思って東京の大学への進学を決意しました。上智大学を選択した決め手となったのは、その立地のよさ。主要ターミナル駅に近く、どこに行くにも本当に便利です。
私は小さなころからプロ野球、特に読売ジャイアンツのファンなのですが、東京ドームまで電車で数駅、神宮球場には歩いて行ける四谷キャンパスの立地はとても魅力的でした。大好きなチームを近くで応援できる喜びを知り、これまで以上に野球が好きになりました。また、私はサークルで管弦楽部に所属しているので、オーケストラの演奏会に行くことも多いです。キャンパスに隣接する紀尾井ホールをはじめ、NHKホールなどコンサート会場となる主要なホールへのアクセスが容易なのも嬉しいですね。
高校時代には、地元で行われるさまざまな大学の説明会をはじめ、受験情報誌やSNSなどから大学に関する情報収集をしていました。私の周りは、自分も含め国立大学を目指す人が多かったのですが、今振り返ると私立大学に入学して良かったと感じています。私立大学、特に上智は、学生に対する教員数が多く、手厚い教育を受けられます。入学前は大学の勉強についていけるか心配だったのですが、今は学ぶことがとにかく楽しい。もちろん難しいこともたくさんありますが、それ以上に面白いと感じることの方が多いです。これは先生方との距離が近く、ちょっとしたことでも質問したり話したりすることができる環境あってのことだと思っています。
自立が求められる環境で生活力も身についてきた

親元を離れた生活に不安を感じることもありましたが、思ったより早く東京での生活になじめたと思います。東京にはクールな人が多いと思っていましたが、実際はあたたかくて優しい人が多くて、そういった方々に助けられていると感じます。
一人暮らしを選択した理由としては、実家で料理をしていた経験から、食材のやりくりが上手に出来れば寮よりも安く住めるのではと思ったからです。洗濯や掃除などの不慣れな家事も、一人暮らしでは「やらなきゃ」という必然性があるので、最初は苦労しましたが自然とできるようになりました。疲れていても自分ですべてをやる必要があるのは大変ではありますが、自立という点で自分自身の成長につながっていると思っています。
一人暮らしだからこそ自由に時間を使えるのも、大学生活を満喫できている理由の一つです。家族を気にせず部屋で音楽を流したり、友人と家の行き来もしやすかったりと、一人の時間も友人との時間も楽しんでいます。また、私は教科書を音読して勉強することがあるのですが、人目を気にせず自分のやりやすい方法で勉強に集中できる環境という意味でも生活しやすいと感じています。
野球も音楽も歴史も、好きなことを追求することが自分の原動力に
大学のサークルは上智大学管弦楽部に所属し、トランペットを担当しています。中学生まで野球をやっていたのですが、肘の故障で高校では野球を続けられなくなってしまって。選手としては試合に出られないけれど、応援する側として野球に関わりたいと思い、高校ではオーケストラ部に入部して音楽に取り組むようになりました。私たちのサークルには、出身も学部も異なる上智生に加え、留学生や他大学の学生も所属しているので、さまざまな人たちと交流できるのもよい経験となっています。
実は、歴史に興味を持ったのも音楽がきっかけでした。高校時代に音楽を楽しむ中で、さらに音楽について詳しく学びたいと思うようになったんです。史学科を選択したのも、歴史的側面から音楽を理解したいと思ったから。実際、国際問題などは歴史的背景を知ることで因果関係が理解できることも多く、学びの面白さを実感しています。野球、音楽、歴史は自分の中で全て繋がっていて、どれも今の自分にとっては欠かすことができないもの。野球観戦も、管弦楽団での活動も、歴史の勉強も、「好き」という気持ちが自分を動かす大きな原動力になっていると感じています。
入学前は将来のキャリアについてあまり考えることもなく、栃木と東京のどちらで働きたいのかもイメージがついていませんでした。しかし、東京で生活する中で故郷の自然豊かで落ちついた環境の良さを実感しています。これは地元を離れなかったら気づかなかったかもしれません。今は上智、そして東京で学んだことを地元に還元したい気持ちが強く、卒業後は栃木県で働きたいと考えています。
※この記事の内容は、2023年7月時点のものです