実践型プログラム「アフリカに学ぶ」をコートジボワール共和国で実施しました

2023年9月2日~17日、実践型プログラム「アフリカに学ぶ」をコートジボワール共和国で実施しました。本プログラムは2015年に開始し、コロナ禍におけるオンライン実施を含め12回目の開講となります。コートジボワール共和国への渡航は、2018年以来5年ぶりとなりました。

本プログラムは、アフリカ諸国に2週間程度滞在し、現地大学の講義受講や国際協力機関の活動見学、地域に根付く市民活動への参加などにより、社会経済が大きく変動するアフリカの「現在」を体験的・実践的に学ぶことを目的にしています。

今回の参加学生(12期)12人は、事前に自分の専門分野や関心に基づくテーマと問いを設定し、独立行政法人国際協力機構(JICA)コートジボワール所長若林基治氏、在コートジボワール日本国大使館の一方井克哉大使や杉山弘樹参事官による事前講義、在京コートジボワール共和国大使館訪問などによって準備を重ね、現地研修に臨みました。

2週間の滞在中は、幅広い活動を実施しました。まず、協定校であるCERAP(平和・研究活動センター)のキャンパスで「国際社会におけるアフリカ」「コートジボワール経済」「コートジボワールの観光産業」「コートジボワールの国際関係から見る平和構築」といった幅広い講義を受講しました。

参加学生とCERAPの先生たち
JICAのプロジェクトサイトを見学

また、JICAのODAプロジェクトサイトへの見学によって、本学の授業で扱われているような国際協力の現場を目の当たりにし、その環境や実態を知りました。2018年に続き、今回も豊田通商株式会社/CFAOのオフィスを訪問させていただき、現地に根付いたビジネスと今後の経済・産業動向について学びました。アフリカ地域の自動車産業は欠かすことができない分野であり、学生の関心も高く、地域スタッフとの交流も活発に行われました。CERAPによるアレンジで可能となった大手銀行NSIAへの訪問では、地域の金融サービスに理解を深めることができ、貴重な経験となりました。

アフリカ開発銀行にて

さらに、本学が2019年に学術協定を締結したアフリカ開発銀行本部では、野元隆章日本代表理事をはじめ、12 人ものスタッフのご対応のもと、アフリカ開発銀行の重点課題High 5sの理解を軸に、滞在期間中の学びを踏まえた議論(例:コートジボワールにおけるカカオ産業の発展と社会課題解決を両立させられるのか)を行ったり、国際機関で働く日本人職員の皆さんにキャリアのお話を伺ったりすることで、「アフリカの開発」と自分の関わり方について多角的に学びました。

折り紙体験で現地学生と交流

最後に行われたCERAPとコートジボワール文化・フランス語圏省共催のJAPAN DAYでは、両大学による挨拶や独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)アビジャン事務所長水野大輔氏によるアフリカの経済状況および日本企業の展開に関するセミナーに続き、学生たちによる体験型日本文化紹介を行いました。実際にお茶をたてる茶道体験、鶴を折る折り紙体験、浴衣の着付け体験など、日本文化に関心を持つ現地の学生たちが喜び、交流を深める機会となりました。

このように、コートジボワールを舞台に、多様な分野の方々との出会いを通して、学生たちはまさに今を生きるアフリカについて知る機会を得て、自身の問いを磨き、理解を深めました。今後も、本学ではアフリカにおける実践型プログラムを実施していく予定です。


上智大学 Sophia University