経済学部生がバッグ小売り大手の株式会社サックスバーホールディングスに商品提案を行いました

専門領域が異なる学生が討議を重ねて企画提案を行った

7月15日、経済学部の学生が、バッグ・鞄小売り大手の株式会社サックスバーホールディングスの経営層や技術者に対して商品企画のプレゼンテーションを行いました。これは、同社と経済学部による産学連携プロジェクト「日本のものづくり再興の方策:新たなビジネスモデル提言」の一環で実施されたものです。経済学部の3つのゼミから有志の学生たちが参加する同プロジェクトでは、日本のバッグ・鞄業界が抱える経営課題を分析し、将来に向けた「新たな姿」を業界関係者に提言することを目的としています。将来の主力購買層となる若い世代の学生に、顧客の立場から忌憚ない意見を寄せてもらい、業界の活性化につなげたいとの本学への期待から、同社との連携が実現しました。

本プロジェクトでは、経営戦略、マーケティング、会計学を専門とするゼミナールに所属する学生たちが4つの混成グループを編成。春学期は革製品の企画提案、秋学期は集大成としてビジネスモデル提言を行い、1年間を通して企業の経営課題について実地経験を通じて学んでいきます。これまでに同社代表取締役社長の木山剛史氏による鞄業界や日本の小売業に関する講演を聴講したほか、鞄職人の工房見学などを通して業界や日本のものづくり現状についての理解を深めてきました。

細部まで作りこまれた試作品に木山社長(右)も視線を注いだ

各グループでは、それぞれのゼミで学んだ専門知識を駆使しながら調査・討議を行い、商品企画に取り組みました。プレゼンテーションでは、ターゲット顧客、マーケティング・ミックス(製品・価格・流通・プロモーション)にポイントを絞って、成果を発表しました。各グループからはパスポートケース、ペアバッグ、マイクロバッグ、ランドセルなどの企画案が発表されました。いずれも多様性、サステナビリティ、「他者のために」といった上智大学らしさを感じさせるコンセプトが、商品の随所に盛り込まれていました。なかには、実際にサンプル品を手作りして披露したグループもあり、その完成度の高さに参加者が驚きの表情を見せる場面もありました。

企画提案を聞いた木山社長からは、「鞄職人が減っており、ビジネスアイデアを形にしていくのが難しい環境のなかで、業界の状況や市場環境をしっかりと調査・研究されていた。一方で、他社製品との差別化、購入後のアフタフォローなどについても視野を広げてもらいたい。皆さんのような若者の柔軟な提案や意見に大いに期待をしています」と話しました。

今後、秋学期にかけてさらなるグループワークや工場見学、社員へのヒアリングなどを経て、12月には同社の経営陣・社員、業界関係者などに対して「業界の将来像提言」をテーマに最終報告会を行う予定です。各グループの提案のうち、企画が採用された場合は実際に商品化される予定です。

本プロジェクトを担当している経済学部長の網倉教授は、「経済学部では、産業界と連携して、学生が実際の経営課題に取り組む機会を以前から提供してきています。ただし、それはゼミナールごとの個別の企画でした。今回のプロジェクトは、経済学部として、ゼミナール横断的に取り組んでいます。専門領域が異なる他ゼミナールの学生と一緒に調査・研究を行うことによって、日頃のゼミナール活動とは違う、新たな気づきが得られる貴重な機会となるものと期待しています」と話しています。

上智大学 Sophia University