「第40回地方の時代映像祭」で文学部新聞学科生の2作品が奨励賞を受賞

賞状とトロフィーを示す松永さん(右)と床並さん

「地方から社会の今を見つめる」というコンセプトで放送局やケーブルテレビ、それに市民や大学生、高校生らが制作したドキュメンタリーの中から優れた作品を表彰する「第40回地方の時代映像祭」で、文学部新聞学科4年の松永佳奈子さんと同3年の床並花さんの2人がそれぞれ個人制作した作品が、「市民・学生・自治体部門」で応募のあった43作品の中からともに奨励賞に選ばれました。

学生らが応募する同映像祭で本学の学生の作品が2つ同時に入賞するのは一昨年、昨年に続いて全国最多で3年連続です。

入賞した松永さんと床並さんは新聞学科でドキュメンタリーを制作する水島宏明教授のゼミに所属しています。

「あなたと僕を生きる」より

松永さんが応募したのは「あなたと僕を生きる」という作品です。全身の筋力が次第に衰えてやがて死に至る神経難病ALSの患者の岡部宏生さんが主人公。声も出せずにベッドに寝たきり状態の彼が、介護ボランティアの支えで自分の人生を生きる日々を追いました。自分の力では食べることもコーヒーを味合うこともできない彼。壮絶ともいえる日々の中にも岡部さんは「楽しみ方」を見出しています。

「電車が苦手なワケ~トゥレットと生きる~」より

床並さんが応募したのは「電車が苦手なワケ~トゥレットと生きる~」という作品。トゥレット症はあまり知られていませんが、静かな場所でいきなり奇声を上げてしまう、腕を机に叩きつけてしまうなどの症状をともなう難病のひとつです。発症の原因も治療法も解明されていません。床並さんはある時、電車内でそのような方を見かけてから、気になってこのテーマを選びました。そんな患者の一人、大学生の酒井隆成さんの等身大の生活を「友人の一人」としてドキュメンタリーに描きました。

テーマは違いますが、2人が取材したのはともに「難病につきあう」覚悟を決めて「いまを楽しみながら生きる」人々の “うつくしさ” でした。この種のテーマではよくありがちな「主人公を悲劇の主人公として描くこと」や「ベタベタした感動ものにしてしまうこと」を意識的に避け、淡々と主人公の日常生活を伝えた「取材対象との距離感の間合い」が審査員から高く評価されていました。


上智大学 Sophia University