オンラインツールを通して現地の声から学ぶ
2021年5月5日から7月2日に渡って、本学の総合人間科学部教育学科 国際教育開発学ゼミの学生16名と本学と学術ならびに交換留学協定を結ぶ・チェンマイ大学(タイ)の学生14名が国際協働オンライン学習プログラム(COIL)を行いました。
本プログラムは、移民労働者、ニューエコノミー、地域経済、地域社会、教育といった分野において、新型コロナウイルスのパンデミックが与えた影響をテーマとして開催されました。本学の学生は、特にタイ北部のマイノリティコミュニティの教育アクセスや質に焦点を絞り、チェンマイ大学の学生と協働しながら学びを深めました。
まず5月上旬に3日間、オンラインでの講義とディスカッションを組み合わせたセッションを行いました。その後、2大学の学生が混合のグループを作り、6月下旬にかけて共同でリサーチを行いました。リサーチでは、チェンマイ大学の学生が主にフィールドワークによる調査を担当し、チェンマイでのインタビューなどを実施。本学の学生は主に文献のリサーチを担当し、調査結果を互いに共有しながら学習を進めました。また、本プログラムではSNSを活用し、学生は2大学の教員からの指導を受けながら、調査を進めました。プログラム最終日の7月2日には、グループでの最終成果発表会を行いました。
最終成果発表に向けて、学生たちはZoom上でのミーティングを通して、準備を重ね、発表当日は、チェンマイで暮らすミャンマーからの移民の子供達が直面する教育問題について、2グループが報告を行いました。それぞれのグループが、移民の置かれた経済状況、政策、教育システムなどに焦点を当て、発表を実施。発表では、言語の壁や、ビザの問題といった以前からの課題に加えて、コロナ禍における学校閉鎖や経済状況の悪化が移民の家庭に重くのしかかり、教育環境が悪化している現状が報告されました。その後、教育機関への補助金や移民家庭への支援の必要性、またその方策について、学生たちは議論を行いました。
約2ヶ月間に渡り、学生たちは調査と発表の準備を進めてきましたが、チェンマイ大学の学生からは、「オンラインミーティングでのディスカッションを重ね、それぞれの国からの視点を踏まえて議論できたことは貴重な経験になった」、本学の学生からは「渡航して現地でのフィールドワークはできなかったが、チェンマイ大学の学生が実施したフィールドワーク調査結果を共有してもらい、文献からの情報と比較しながら勉強できたことで、より深い学びができた」といった声が聞かれました。本プログラムはオンラインツールを駆使した有意義な協働学習の場となりました。