9月1日、ローマ教皇フランシスコは、ルクセンブルク大司教で元本学副学長のジャン=クロード・オロリッシュ大司教を含む13人を、新たに枢機卿に任命すると発表しました。10月5日に行われる枢機卿会議にて、正式に叙任されます。昨年、日本人として6人目の枢機卿に叙任された前田万葉大阪大司教に続く、日本と関係の深い枢機卿の誕生となります。
枢機卿は、教皇の最高顧問で、教皇を直接補佐する枢機卿団を構成すると同時に、教会全体に関わる日常的な職務について教皇を助けます。新たに加わる13人が叙階されると、総勢215人、そのうち教皇選挙(コンクラーベ)の投票権を持つ枢機卿は118人となります。
オロリッシュ大司教は、1958年、ルクセンブルク大公国生まれ。1990年に司祭叙階。イタリアとドイツの3つの大学で、哲学、神学、教育学を学びました。1987年に本学外国語学部ドイツ語学科非常勤講師として着任したのち、99年に同学科助教授、2006年に同教授となりました。
また、カトリックセンター長、ヨーロッパ研究所所長、学生総務担当副学長、学術交流担当副学長、学長補佐などを歴任したほか、上智学院国際交流担当理事など要職を務めました。現在は、欧州カトリック司教協議会委員会(COMECE)の委員長も務めているほか、20年以上を日本で過ごした経験を踏まえ、ルクセンブルク大公国と日本、そして本学との懸け橋として尽力されています。
1日、休暇先のポルトガルでバチカンニュースの電話取材に応じたオロリッシュ大司教は、枢機卿任命の一報を受けた際に、その日のミサで読まれたルカによる福音書の話が思い浮かんだと話しています。招待された客に対し、イエスが上席を選ばず末席に座るように戒めたこの話は、自身が教会に仕える使命を果たしていく上でいつも心に留めていることだと述べました。そして、”I hope that I can always listen to that Gospel and as a Cardinal be really of service to the Pope, to the Church and to all the women and men who constitute the Church of God” (常にこの福音の言葉に耳を傾け、枢機卿として、教皇に、教会に、そして神の教会を形成するすべての人々に対し、真に仕える者となれるよう願っています) とインタビューの中で語りました。