「東京に来る前は、はじめての環境での生活に不安が募りましたが、今は自分の学びたいことを学べる環境を選んで本当によかったと思っています」と語る三重県出身で外国語学部英語学科2年の西晏優さん。国際寮の環境をフル活用してさまざまなことにチャレンジする彼女が見据える次のステップとは?
国際寮の存在が、東京での大学生活を決意する大きな後押しに
多種多様な人が集まる東京で、大学生活を送ることで、将来の可能性を広げられたらと思い、東京への進学を決めました。その中でも上智に魅かれたのは、昔から英語に関心があり、英語を軸にさまざまなことを学びたいと思っていたからです。中学から英語に力を入れて勉強していて、高校生の時には上智大学主催の高校生英語弁論大会「ジョン・ニッセル杯」に出場しました。私は海外経験がありませんでしたが、入賞することが出来てとても嬉しかったのを覚えています。このコンテストへの出場や、大阪サテライトキャンパスでのオープンキャンパスへの参加を通じて、上智への思いが強まりました。
東京の大学に進学する上で心配だったことが、金銭面です。高校生の時に、友人と東京の私立大学に通う場合のコストを試算してみたのですが、毎月かかる金額に驚いてしまいました。ただ、自分が学びたいことをしっかり学べる上智に進学したいという思いは揺らがなかったので、金銭面での負担が一人暮らしよりも軽く、かつ留学生と英語で話す機会が多い祖師谷国際交流会館での寮生活にとても魅力を感じました。東京での暮らしを心配していた家族も、同じ大学の仲間がたくさん暮らす国際寮であれば安心と、私を快く送り出してくれました。
実際に東京に住んでみて、改めてこの街には何でもあると実感しています。私が好きなバレエを一つとってみても、毎日どこかしらで大なり小なりさまざまな公演があります。上智にはバレエサークルがありませんが、他大学と合同で運営しているバレエサークルもたくさんある。私もサークルに入ってバレエを続けながら、共通の趣味を持つ友人の輪を広げています。このようなことができるのも、たくさんの人が集まる東京だからこそ。また、東京には世界各国の料理が食べられるレストランが本当に多い。地元ではなかなか経験できないことを楽しむことができるのも、東京の魅力だと感じています。
リアルに世界を感じられる国際寮での毎日
国際寮での生活は楽しみだったものの、最初は語学面で不安がありました。海外経験もなく、中高でしか英語を勉強してこなかった自分の英語力に自信が持てなかったんです。それでも、英語をとことん勉強するために上智を選んだのは私自身。どうせなら国際寮という環境をフルで活かしたくて、とにかくいろいろな寮生に話しかけて、英語力を磨こうと決めました。
もともとの私はシャイな性格で、初対面の人とすぐに打ち解けるのは苦手だったんです。でも、私の暮らす寮では、見かけた人には”Hi!”と声をかけて話すのが当たり前。フレンドリーな文化がいつの間にか自分を変えてくれました。まさか私が、そこまで親しくない人に話しかけて、会話を楽しめるようになるなんて…と思えるほどに、ここでの環境は自分を変えたと感じています。朝も夜も一緒に過ごす寮の友人は、今では私にとって家族のような存在です。
寮生の出身はさまざまで、台湾、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、ウクライナ、イギリス、フランスなど世界中から上智に来た、年齢も異なる学生たちとの共同生活です。本当に国際色豊かで、まるで自分が留学しているような気分を味わえます。ここは本当に「小さな世界」と言えますね。
ここでは生活の中で異文化を感じることばかり。例えば、以前共有キッチンで火にかけた鍋が放ったらかしになっていて心配になったのですが、バングラデシュ出身の寮生が「これは私の国の伝統料理で、この豆を食べると一日元気で過ごせるんだよ」と教えてくれて、その料理を分けてくれました。私だったら火のついた鍋を見たら「危ない、消さなきゃ」と慌ててしまうけれども、その寮生はこんなふうには思わない。このような小さなことでも、ふとしたきっかけで異文化に触れることができることが国際寮での生活の醍醐味ではないでしょうか。
さらに広い世界を知るために留学にも挑戦したい
英語学科ではグローバルな社会問題を学ぶ機会が多いのですが、その問題に関係する寮生たちといつでも議論できる環境も国際寮の魅力です。自分とは異なる視点からの意見はとても刺激的ですし、自分の学びを深めるきっかけにもなります。
また、私は第二外国語としてフランス語、第三外国語としてインドネシア語を履修していますが、寮での食事やラウンジでのリラックスタイムに寮生の母語を耳にすることも多いので、彼らとのおしゃべりを楽しみながら会話力を磨いています。テスト前には勉強を教えてもらうこともありますよ。
国際寮に入るまで、海外の方に対し、アメリカ人はこう、インド人はこう、ドイツ人はこうという決めつけが、多少なりとも自分の心のどこかにあったかもしれません。でも、実際に多様な環境で暮らしてみると、特定の国に対する自分の先入観にとらわれることなく、ありのままの相手を知る努力を重ねて理解することが一番大切だということを実感しています。私にとってとても大きな気づきであり、祖師谷での寮生活を通じて自分が成長できたと感じる点です。
将来目指すものも夢中になれるものも異なる人たちと接する中で、自分には何ができるだろうと考えるようになり、今はいろいろなことに挑戦してみようと思うようになりました。フランス語とインドネシア語の勉強に加え、大好きな英語は今もESSサークルでスピーチの練習を続けていますし、教職課程も履修することを決めました。在学中に海外留学にも挑戦してみるつもりです。自分の視野をもっと広げてみたいし、もっと大きな世界も見たい。寮生活を通じて培ったこの気持ちを大切にしていきたいと思います。
※この記事の内容は、2023年7月時点のものです