計り知れない成長と貢献が可能な世界は、ひとつの言語の先にある。

長澤 明寿香さん
外国語学部 英語学科 4年

“将来は国際機関で働き、持続可能な環境づくりに貢献したいと思っています”と語る外国語学部英語学科の長澤明寿香さん。ジュネーブ国際・開発大学院で環境とサステナビリティを学びながらインターンにも励む彼女が、この4年間に寄せる思いとは?

言語の習得を通して理解の対象を文化、歴史、人へ広げる喜び

私が日本の教育制度や英語教育について考えはじめたのは、中学生のとき。海外で長く暮らしていたのですが、日本の中学校に半年だけ通う機会があったんです。その時に、日本には英語を使って活躍したい、世界について学びたい、日本のいいものを海外に発信したいと思っている子どもたちが予想以上に多いことを知りました。その気持ちを後押しするには、どんな環境やツールが必要だろう。そんなふとした疑問から、まずは日本の英語教育をよりよくして、子どもたちと海外の距離を縮めたいと考えるようになりました。

英語学科を選んだのは、英語教育への思いに加え、英語という言語そのものへの興味、そして国際社会に関する知識を深めたいと思ったからです。アメリカの大学に進学するという選択肢もありましたが、学費や教育水準といった要素を踏まえて迷わず上智を選びました。英語学科と聞くと、英語を重点的に学んで身につける学科というイメージがありますが、上智の英語学科は決して語学だけを学ぶ学科ではありません。英語の習得を通して、英語圏の国や地域の文化や歴史などを勉強できるのが一番の魅力です。言語を通してその言語を話す人々を知り、その人々の国を理解することができるということに改めて気付くことができました。

私たちの学科には海外志向の学生がとても多いですが、一方で社会問題にも強い関心を持つ学生も多いです。彼らと出会い、世の中の動向に関する気づきや見解を気負わずに話し合える関係を築くことができたのは、実に価値のあることでした。また、先生方のバックグラウンドも実に多彩。長年海外で教鞭を執っていた先生、文学を研究されている先生、映画製作に携わる先生など、さまざまな専門を持つ先生方から学ぶたびに、自分の視野が広がっていくのを感じました。

“学んでいる”という感覚を味わいながら、興味関心の対象を広げていく

入学してから一番伸びたと思うのは、自分の考えを言語化する能力です。一般的に高校では、決められたカリキュラムに沿って受動的に授業を受けることが多いと思います。でも、上智の英語学科では多くの授業が少人数制。入学直後から授業の中で頻繁にプレゼンやディスカッションを英語で行う機会が与えられるため、アウトプットの時間と量が自然と増えて、気持ちの面でもスキルの面でも自分の考えを言語化することに抵抗がなくなりました。

自ら研究テーマを選び、仮説を立てて検証するような授業では、独自の考え方や価値観が生まれたら、他の学生と話し合い、アウトプットする中で自分の中に落とし込んでいくという経験を重ねました。自分で考えて発信し、フィードバックを受けて修正する。そのプロセスが学びの重要な要素になっているので、講義型の授業と比較すると、能動的に“学んでいる”あるいは“研究している”という感覚が圧倒的に強かったです。自分の興味関心はどこにあるのか今一度見つめ直す機会にもなりました。

実際、私の興味関心は、日本の英語教育から国際関係に広がりました。これは私自身がグローバルな問題により関心を持つようになったから。実際、上智では国連との共催イベントや研究所のセミナーなど、国際問題に触れる機会が毎日のようにあるので、グローバル社会で自分は一体何ができるだろうと考えさせられる機会が多いんです。また、英語学科では、夏休み中の学生に英語を教えるボランティアサークル(STP)があります。私はこの活動の一環で、これまでカンボジアを4回訪れました。現地の学生に英語を教えるという経験を通して、国際社会に自分がどのように貢献できるのかと改めて考えるきっかけになりました。

大学院留学とインターンで、国際機関で働くという夢を実現に近づける

現在は、上智が提供する3+2というプログラムを使って、ジュネーブ国際・開発大学院に留学し、環境とサステナビリティを専攻しています。修士号の取得には一般的に大学と大学院で計6年かかりますが、このプログラムでは、上智大学の学士号とジュネーブ国際・開発大学院の修士号を5年で取得することができるんです。

将来は国際機関で働き、持続可能な環境づくりに貢献したいと思っています。これまでの学びを通して、国際社会の複雑な問題を解決に導くためには本当に多くの人の協力が必要だと気づいたので、そのための方針や規定の策定に携わりたいと考えています。英語学科では、第2次世界大戦後のアメリカ主導による世界秩序の形成過程や、市民の立場からグローバル課題解決に取り組む国際協力論などについて学んでいたので、その知識を存分に活かしていきたいです。

自分の夢の実現に向け、勉強と並行してサステナビリティに関するコンサルティングを行う企業でのインターンもしています。市場経済に目を向けながら、国際機関や国際社会の動向も分析する必要があるような仕事なので、とてもやりがいを感じています。ここでの経験を活かし、国連にロビー活動をしているようなNPO団体でキャリアを重ねていくことも可能かもしれません。とはいえ、目標に辿り着くための道は1つじゃないはず。これからもアンテナを高く張り、さまざまな可能性を模索していこうと思っています。

※この記事の内容は、2021年11月時点のものです

上智大学 Sophia University