イエズス会総長の来校が11年ぶりに実現
7月31日、イエズス会のアルトゥロ・ソーサ総長による特別講話「世界においてのイエズス会高等教育」が6号館101教室にて開催され、学生・教職員をはじめ約350人が参加しました。
本学の設立母体であるイエズス会は、約500年前に設立されたカトリック教会の修道会で、教皇フランシスコも同会出身です。特に教育に注力していることでも知られ、全世界で2,000を超える教育機関の運営に携わっています。本学へのイエズス会総長の来訪は、2008年に前総長で元神学部教授のアドルフォ・ニコラス神父以来、11年ぶりです。ベネズエラ出身のソーサ総長は、ベネズエラ中央大学より政治学の博士号を取得。イエズス会ベネズエラ管区長、総長顧問などを歴任したのち、16年10月に第31代総長に就任しました。
講話は「イエズス会使徒職全体の方向づけ」を意識して、イエズス会大学の役割とその意義、イエズス会が創立当初から大切にしてきた学問分野での活動を示す「知的使徒職」、そしてイエズス会大学が取り組む社会貢献の3つのテーマで展開されました。
ソーサ総長は、「イエズス会大学の真価は、そこで学んだ学生が、思いやりと責任感を伴った『世界市民』として育ち、『他者のために』を実践し社会に貢献できているか、それにかかっています」と述べました。大学においては、知識の習得を積み重ねるだけではなく、「知恵」を見出すことこそが、知的使徒職に課せられた目的であると力を込めました。
また、「大学は自らの思索を深めるとともに、多様な人々が集い、相互理解や対話を行う機会に恵まれた場所です。研究や学びを通じ、社会に変革をもたらす道筋を探し、見つけるという自由が与えられている特別な場所でもあります」と語り、大学の持つ役割と意義を指摘しました。そして、高等教育を巡る複雑な状況の中、イエズス会大学の一員であることを教職員・学生が改めて認識する重要性を訴えました。
講話に続き、アガスティン・サリ総務担当理事の司会で、佐久間勤理事長、曄道佳明学長との三者鼎談が行われました。「キリスト教徒が少数派である日本社会における学校での協働のあり方」や、「実務的効果を生む学びに期待が集まる今日において、イエズス会教育の精神をどのように伝授していくべきか」という課題が議論されたほか、会場の学生からも質問が寄せられました。
最後に、山本夏希さん(総合人間科学部教育学科3年)より、花束贈呈が行われました。
ソーサ総長の講話全文および鼎談について
下記のリンク(PDF)から、全文をご覧いただけます。