「第39回地方の時代映像祭」で文学部新聞学科生の2作品が奨励賞を受賞

表彰状と記念トロフィーを見せる寺原さん(左)、岩﨑さん

「地方から社会の今を見つめる」というコンセプトで放送局やケーブルテレビ、それに市民や大学生、高校生らが制作したドキュメンタリーの中から優れた作品を表彰する「第39回地方の時代映像祭」で、文学部新聞学科3年の岩﨑瑠美さんと寺原多惠子さんの2人がそれぞれ個人制作した作品が「市民・学生・自治体部門」で応募のあった63作品の中からともに奨励賞に選ばれました。

全国の学生らが応募する同映像祭で本学の学生の作品が2つ同時に入賞するのは昨年に続いて2度目です。

岩﨑瑠美「こもりうたを校庭で~ウチナータウンに生きる~」より

入賞した岩﨑さんと寺原さんは新聞学科でドキュメンタリーを制作する水島宏明教授のゼミに所属しています。岩﨑さんが応募したのは「こもりうたを校庭で~ウチナータウンに生きる~」という作品。自分の祖父が亡くなるまで住み込みで介護してくれた付き添い婦の女性が漢字の読み書きができなかったことがなぜだったのか。幼い頃に抱いた疑問を解き明かそうと女性の人生をたどりました。女性は沖縄の出身で、極貧のなか幼い弟の世話をするため学校通いもままなりませんでした。字の読み書きができないことで差別に苦しみながらも沖縄出身者が集う集落で周囲に支えられて生きてきました。

寺原多惠子「日本語の壁」より

寺原さんが応募したのは「日本語の壁」という作品。ろう学校で手話を学んだ聴覚障害の人たちには実は日本語教育が不十分なため日本語の習得が不十分な人が少なくありません。筆談ができるようになるまでには手話ができる専門の日本語教師に学ぶなど、社会に出てからも独自に学ぶことで追いつく現状があります。背景には手話講師の資格がある日本語教師がまだまだ少ないという問題があります。

11月16日に関西大学で行われた表彰式で受賞の喜びを話す寺原さんと岩﨑さん

テーマは違いますが、2人が取材したのはともに「学ぶ」こと、それを支えることの大切さ。表彰式には寺原さんの取材に応じてくれた日本語教師なども東京からかけつけてくれて、2人は「受賞の喜びを協力してくださった方々と分かち合いたい」と感謝の言葉を述べていました。

今回の受賞作品の一覧は以下のホームページで確認できます。
「地方の時代」映画祭公式サイト

上智大学 Sophia University