2024年11月 18日、法学部森下哲朗教授の講義「国際取引法各論」にて、ジェトロ デジタルマーケティング部 志賀大祐 課長代理が、「地政学的リスクとグローバルサプライチェーン構築」のテーマで講演を行いました。
講演は、志賀氏がメキシコ事務所勤務時に対応した、他国での農林水産物の輸出規制によるメキシコの販路拡大の事例をもとに、特定の国において輸入禁止措置があった場合に、日本企業及び日本政府や政府系機関がどのように対応するべきかを論じた内容で、講演を受けて学生が議論しました。
議論の中では、「輸入禁止措置を出している国に対して、日本企業にとってのパートナーである現地企業から現地政府に働きかけてもらう」「国際的な科学機関に客観的な調査を実施してもらい、規制措置や基準の緩和などを当該国に働きかける」「新たな輸出先に対して安全性を訴求し、ブランディングを実施する」「複数拠点にサプライチェーンを構築し、技術者を新たな拠点に派遣して人材育成などを行う」など、多角的な対応策が学生たちから 提示されました。
志賀氏からは「各国がグローバルにサプライチェーンを構築しており、取引上見えていない国と結果的に取引をしている可能性がある」「輸出禁止措置をとっている国の方針を変えることは難しく、当該国の友好国にも影響する可能性が高いので、周辺国へのアプローチも重要である」「現地に流通する商品と似ているものは競合に負けてしまうので、日本のブランド価値を高める施策が有効である」など、現場で実施した対応策などを交えながらフィードバックがありました。
参加した学生からは、「ニュースでも話題となっていた事例をもとに、問題点や解決策を受講者全員で出し合うことができ、有意義だった」「国際取引を実施する上で必要となる観点を知ることができた」「具体事例をもとにジェトロの業務内容や日本企業にとってどのような支援をしているかの理解を深めることができた」などの感想が寄せられ、国際ビジネスとその重要性について、第一線で活躍する方から直接学ぶ貴重な機会となりました。