国際関係研究所主催「ソフィアン国家公務員と話そう—日本、世界で活躍する先輩たち」を開催しました

10月30日、国際関係研究所主催(後援:上智大学ソフィア会)「ソフィアン国家公務員と話そう—日本、世界で活躍する先輩たち」が、四谷キャンパス6号館6階ソフィアンズクラブで開催されました。本イベントは、藤崎一郎元駐米大使(現・中曽根平和研究所理事長)が国際関係研究所統括代表として在任中に発案したのをきっかけに2016年より毎年開催されてきたもので、今回は、昨年までの「上智出身の外交官と会おう」のリニューアル企画となりました。

冒頭、主催者による開会の挨拶として、安野正士教授(国際関係研究所所長)から在学生に向けて、「国際社会に貢献したい学生は多いが、国家のために働きたい学生をあまり見なくなった。ぜひ国家公務員を目指してほしい。この企画を今後とも研究所として応援していきたい。」という力強い励ましの言葉がありました。

藤崎元大使のお話

続いて、藤崎元大使より、緒方貞子元国連難民高等弁務官(本学名誉教授)のご逝去を悼み、参加者全員で黙祷を捧げました。その後、藤崎元大使は、国家公務員として働く先に考えられる将来的な可能性についてお話され、総合職の場合には、故・天野之弥氏(元IAEA事務局長)や松浦晃一郎氏(元ユネスコ事務局長)のように、政府からの後押しを受けて国際機関の長となり国際社会に貢献できる例を挙げられました。また、本学在任中、外務省を目指す優秀な学生が主として専門職に目を向ける状況が見受けられたことから、総合職として実際に働いている卒業生と会うことによって選択肢の幅を広げてもらえるように本イベントを企画したこと、今回からは外務省以外の省庁にも対象を広げたこと、についてご説明がありました。

第一部の様子

第一部のシンポジウムでは、本学出身の梶原徹氏(外務省経済局サービス貿易室長)と山口真由氏(厚生労働省雇用環境・均等局有期・短時間労働課)より、①国家公務員のやりがい、②総合職と一般職・専門職の違い、③東大をはじめとした旧帝大出身でないことが不利になるか、についてお話しいただきました。梶原氏も山口氏も、それぞれの省で多少の違いはあっても学歴で不利になることはないという点で一致しており、梶原氏は自らの経験を例に、海外の大学院での学位取得のチャンスを得ることができたという話も添えられました。この他にも、梶原氏からは、国家公務員はラグビー憲章に記載されているような「品位、情熱、結束、規律、尊重」が求められ、「様々な人の関心や利害に対して、誰が見ても公平・公正な解決策が求められる」という点を挙げ、民間企業との違いや職務のやりがいについてお話しいただきました。山口氏からは、子ども達のために少しでもよりよい社会にしたいという意識から国家公務員を志望したことや、入省3年目という早い時期から講演を任されるなど、総合職だからこそ責任ある仕事を担うことができるというお話がありました。

集合写真

第二部のラウンドテーブルでは、4つのグループに分かれて、梶原氏、山口氏、経済産業省一年目の北川幸恵氏、厚労省内定者の池田誠也さん、法務省内定者の柴田省吾さんを在学生が囲んで歓談しました。終始、和やかで活発な意見交換が行われ‪、参加した学生からは、「先輩・仲間との新たな出会いがあった」、「疑問に思っていたことが聞けた」、「国家公務員を目指している学生が他にもいることが実感でき、参加して良かった」、「総合職も手が届く職種だと実感がわいた」などといった声が寄せられました。

上智大学 Sophia University