上智大学大学院法学研究科法曹養成専攻(法科大学院)令和4年度法科大学院認証評価結果を受けて

 上智大学大学院法学研究科法曹養成専攻は、2022年度に独立行政法人大学改革支援・学位授与機構による法定の認証評価を受審し、2023年3月23日、「各基準の判断結果を総合的に考慮した結果、大学改革支援・学位授与機構が定める法科大学院評価基準に適合していない」との評価結果を受けました。本法科大学院はこの決定に先立ち、2023年1月31日付で評価結果案の通知を受領しており、同機構の定める「評価結果(案)に対する意見の申立て」(以下、意見申立て)申請の制度を通じて、2023年2月21日に意見の申立てを行っておりましたが、認証評価委員会の下に置かれる意見申立審査専門部会における審議の結果、本意見申立ては受け容れられるところとならず、今回の評価結果が確定いたしました。評価結果、意見申立ての内容、および意見申立てに対する同機構の審査結果や対応については、本学および同機構の公式ウエブサイトにおいて公表されております。

 本学としては、特に評価結果に直結する重点評価項目「基準2-3 法科大学院の目的に則した人材養成がなされていること」について、評価が適切ではないと思われる点が少なからず残っていると受け止めております。とりわけ、本法科の定数の半分を占める未修者の教育については、修了後1年以内の未修者の司法試験合格率が一定の成果(特に直近の令和4年では約43%)を出しているとともに、共通到達度確認試験の成績も改善されているにもかかわらず、これらの客観的事実を十分に評価していただけなかった点は誠に遺憾に存じます。

 また、「法学部3年間+法科大学院2年間」の5年一貫で司法試験合格を目指す法曹コース出身の学生に関しては、第1期生の司法試験受験が令和5年度に予定されており、まだ司法試験結果が出ていない状況にありますので、法曹コース出身の学生に対する教育が適切に行われているかどうかについて人材養成状況の評価を頂くには、もう少し時間を要するものと考えます。

 このように、意見申立てに対する回答も含めた今回の評価結果については、本学としては受け容れ難い点もありますが、より良い教育を行う上での改善の手掛かりとなる御指摘も頂いております。本学は、次年度に大学改革支援・学位授与機構が定める追評価の申請を行う予定ですが、そうしたご指摘を真摯に受け止めた上で、次年度の追評価に向けて適切に対応していきたいと考えております。なお、指摘事項のうち、各種規則や基準等に関する整備の不十分さや、修了生の組織的な状況把握に関するご指摘等、認証評価の受審にあたっては本学法科大学院として至らぬ点があったことは否めませんが、これらについては、受審直後から速やかに改善に向けた取り組みを進め、そのほとんどについて既に対応が完了していることを申し添えます。

 上智大学法科大学院では、現代社会の最先端ニーズを見据えながら、基礎理論から応用実務までバランスのとれた最適カリキュラムの下で、多様な学生を多角的に鍛え上げるという方針のもと、より良い法科大学院となるよう教職員一同、さらに尽力して参りたいと考えております。

 本学法科大学院在学生、2023年4月入学予定の皆様、今後進学を検討する皆様におかれましては、質の高い教育環境を引き続き提供することについて、ご安心をいただければ幸いです。また、本学法科大学院修了生の皆様、日頃よりご支援をいただいている関係者の皆様におかれましてもご理解を賜りたくお願い申し上げます。

2023年3月23日
上智大学
学長 曄道 佳明
法科大学院長 巻 美矢紀

上智大学 Sophia University