新入生が語る
期待と少しの不安を胸に始まった大学生活。文学への関心を原点に上智へ入学した佐古さん。専門分野の学びはもちろん、次々と広がる新たな学びと出会いを楽しみながら、自分らしい大学生活を歩み始めています。
大学の学科選びには迷いがありました。元々文学が好きで文学部への進学は早くから決めていましたが、美術史や歴史学、日本史にも興味があり絞り切れずにいたのです。最終的に国文学科に決めたのは、授業で出会った『平家物語』に面白さを感じ、興味を持って長く向き合える学問とは何かを考えた結果です。また、上智出身の高校の先生から、キャンパスの雰囲気や学生生活の様子を聞いたことも、上智大学を選ぶ後押しになりました。
受験期は家族に支えられて乗り切ることができました。母は模擬試験の成績で落ち込む私を側で根気強く励ましてくれて、単身赴任中の父は毎晩のようにビデオ通話で勉強についてアドバイスをくれました。今こうして充実したキャンパスライフを送れているのは家族のおかげです。
国文学科の講義は、興味深いものばかりです。たとえば「『平家物語』と仏教」。仏教思想を切り口に作品を読むことで、『平家物語』が持つ新たな一面と出会うことができます。高校時代は文法学習が中心で、一つの作品を深く掘り下げる機会は限られていました。作者の意図や政治的思惑、時代背景など、作品を成り立たせている要素を詳しく紐解きながら作品と向き合えるのは大学ならではの学びです。他学部生と机を並べることも多く、法学部の友人が権勢を振るった平清盛に対して、権力を抑制する法体系の重要性を指摘するなど、新たな視点を得る貴重な学びの場となっています。
また、「古典文学基礎」では、日本古来の崩し字を教わっています。様々な古典と接する際に、現代語訳された文章では、言葉選びや表現の仕方に訳者の意図が含まれます。自分の解釈で物語と向き合うには、原典の崩し字による講読が欠かせません。講義で扱われた作品の一つが、菅原道真の生涯と、死後に天神として祀られるまでを描いた絵巻物『北野天神縁起絵巻』です。最初はあいうえおから一字一字丁寧に習い、次第に文章が読めるようになると、筆跡の違いや、筆を一度置いた跡から書き手の息遣いまで感じられるようになりました。千年以上前に生きた人たちが書いた文字を今読んでいることに、紡いできた歴史のロマンを感じます。授業での学びを糧に、「むかし、男ありけり」の書き出しで有名な平安時代の歌物語『伊勢物語』の原文を読破することが、今の目標です。
入学後に驚いたのは、充実した語学教育と留学生との交流機会の多さです。語学系の学科でない私でも、グローバルな学びの機会の多さを実感しています。幼少期を海外で過ごし、高校時代には短期研修でオーストラリアへ行ったこともあるため、言語にも興味を持っていました。恵まれた環境を存分に活用すべく、まずは夏期休業中にLanguage Buddyという留学生の手助けをするボランティア活動に参加しました。また、学科の先生からの「他言語を学ぶことは日本語を相対的に見つめ直すきっかけになる」という言葉から、2年次以降に語学科目の履修を検討しています。専門分野の勉強に役立てたいですね。語学の資格で高いスコアを狙い、誇れるスキルとして英語力を高めることも目標です。
大学の図書館も頻繁に利用しています。蔵書数が多いおかげで、長年探していた本にも出会えました。キャンパス内には授業の空き時間を思い思いに過ごせる場所が多く、それも魅力の一つだと感じています。資料探しのためだけでなく、好きな本を読みに、今後も図書館には足を運ぶつもりです。
入学早々、既にやりたいことがたくさん見えてきました。読みたかった古典の原文にじっくり向き合いながら、語学学習にも積極的に取り組み、上智ならではの学びを突き詰めていこうと考えています。4年後の自分が、どんな「作品」に仕上がるのか、今からとても楽しみです。
掲載:Sophialogue Vol.1 2026 AUTUMN / WINTER(p.18–19)
※この記事の内容は、2026年11月時点のものです。