相手に寄り添った対話が未来を描くヒントになる。

高橋 孝太さん
経済学部経済学科4年(三井不動産株式会社 内定)

川西 諭教授
経済学部経済学科

留学、課外活動、サークル、ボランティア、インターンシップ。夢をかなえるため、そして自分を成長させるため。大学でさまざまなことに挑戦した学生たちが語る入学から現在までの変化と成長を紐解きます。

自分の弱さを武器にした対話が視野を広げてくれた(高橋)

高橋 孝太さん(経済学部経済学科4年 / 三井不動産株式会社 内定)

高橋 1年生の時、新入生を勧誘するフレッシュマンウィークの実行委員でしたが、メインストリートや9号館のブースの割り振りを体育会、文化部、サークルと分かりやすく改良したり、各団体の話を聞いて調整したり、結構大変でした。

川西 1年生だと何も分からないもんね。

高橋 そうなんです。団体同士の力関係もあり、その時に対話の重要性を感じました。1年生だから相手も言いやすかったと思いますけど。

川西 1人でも多く入って欲しくて、みんな勧誘するのに必死だから。

高橋 なので、説明会の無断欠席や提出物の期限を守らなかった団体はペナルティを付け、きちんと説明できるようにして。相手を知るために話すしかないということは、この実行委員でも所属するラグビー部でも身にしみました。

川西 私は大学をより良くするために教職員が取り組む「教職協働イノベーション」の1つ、「フューチャーセンタープロジェクト」の代表をしています。対話の場を作るために9号館のリニューアルに携わったり、授業とは違って先生方がフランクに話す「U-Talk」イベントだったり、いろいろ企画してます。

高橋 そのプロジェクトは知りませんでした。9号館は他の学食と照明も違いますし、明るい雰囲気だなと思っていましたけど。

川西 元々は暗くて魅力的じゃなかったんだよ。みんなが集える素敵な場所にしようと、教職員、学生、卒業生、専門家からアイデアを募り、みんなで作っていきました。その時重視したのは、Face to Faceで責任を持って意見を出してもらうこと。サイレントマジョリティの声をちゃんと聞かないといけないから。

高橋 そういう意味では、僕もラグビー部の戦術リーダーとして、全国レベルから初心者まで、いろんな部員と話すようにしていました。練習メニューや戦術はみんなが納得する着地点をすごく意識していたと思います。

互いの立場を理解し合い丁寧に気持ちを伝え合おう(川西)

川西 諭教授(経済学部経済学科)

川西 自分が望んでいる戦術じゃなくても、チームが納得する戦術で試合して勝つと、みんなで喜べるよね。

高橋 そうですね。僕は親しみやすいリーダー像をイメージしていたので、初心者の後輩たちを萎縮させないように心掛けていました。そうすると彼らから本質を突くような意見が出てくることもあって、それが自分の考えを客観視することにもなり、とてもありがたかったですね。

川西 会社にはいろんな上司がいるけど、何でも言って、とフランクに声を掛けてくれる人は下から信頼されるし、高橋君も最高の上司になりそうだね。ところで、経済学科の学生ならではの強みは何だと思う?

高橋 文系の学部ですけど、数学的な処理ができるところは自信になってます!

川西 素晴らしい! その言葉は嬉しいですね。でも数学に強い分、弱点になっている英語の科目は増やしています。卒業生に会うと、もっと英語を勉強しておけば良かったと言われるのでね。

高橋 僕は英語が苦手で1、2年生の時の授業はすごくしんどかったです。

川西 経済学科は数学ができることが個性だと思うけど、英語ができれば活躍の場が広がるからね。就職は決まってる?

高橋 はい。勉強したことを活かそうと金融は一通り受けましたが、最終的にはデベロッパーに決めました。何か施設を作る時は行政、地主、近隣住民など、様々な人とコミュニケーションを取って、全員の利益が最大化するように進めていく認識があったので、先ほどの「フューチャーセンタープロジェクト」の話は聞いていてすごく面白いなと思いました。

川西 コミュニケーションは“したつもり”になりがちだから、相手の立場を理解しようと互いに伝え合うことが大切だと思うんだよね。先ほどの高橋君のフレッシュマンウィークの話も、場合によってはトラブルの可能性があったけど、自分たちが大切に扱われていないと憤ってしまう人に対して、丁寧に気持ちを伝え合う対話は今後も続けて欲しいですね。

高橋 大学生活で僕は自己開示したり、相手に寄り添ったり、自分の弱さを出しながら相手の話を引き出し、また対話を通して視野も広がりました。内定先の社長からも言われていますが、今後は人間としての深みを身につけ、幅をもっと広げたいですね。高橋になら話したいと相手に思われれば接点も対話の総量も増えるので、どんなことでも一生懸命取り組んでいきたいです。

※この記事の内容は、2021年11月時点のものです。

上智大学 Sophia University