海を越えた出会いや交流が“心”を大きく成長させてくれた。
留学、課外活動、サークル、ボランティア、インターンシップ。夢をかなえるため、そして自分を成長させるため。大学でさまざまなことに挑戦した学生たちが語る入学から現在までの変化と成長を紐解きます。
留学先では様々な国の学生と積極的に交流しました(高橋)
高橋 アンナさんはロシアから上智に来られたんですよね。
アンナ はい。ウラジオストクの大学で日本語や日本の文化、経済について学んでいて、2年前に研究生として来日したんです。そもそも日本のアニメが好きで、日本に興味を持ったんですよ。
高橋 僕は3年生の時にアメリカのボストンカレッジに留学しましたが、そこでも「日本のアニメ見てるよ」ってよく話し掛けられました。
アンナ 高橋さんはどうしてアメリカに留学しようと思ったんですか?
高橋 僕は父の仕事の関係で中学卒業まで上海で育ったんです。長い間そこで生活していると言語だけじゃなく考え方や感性、センスみたいなものまで身に付くような気がするんですね。だからそういう経験を世界経済の中心でもしたいなって。
アンナ 交換留学生だったんですよね。
高橋 はい。実際、学費も抑えられたのですごく助かりました。
アンナ 留学して何か驚いたことはありましたか?
高橋 意外と日本って認知されていないなって思いました。留学生の絶対数も中国やヨーロッパに比べて少ないし、それこそアニメと日本車以外の認知度が低いんだなって。
アンナ 確かにロシアでもアニメは大人気だけど歴史などはあまり知られていないのかも。
高橋 留学先でいろんな国の学生を集めて交流会を開いたことがあるんです。周囲の友人に声を掛けて、オーストラリアとかベトナムとかフランス、スペインの留学生を呼んで。元々僕はパーティーを主催するようなタイプじゃないんだけど(笑)、やっぱり日本の文化だとか日本人ってこうなんだよって知って欲しかったから。
アンナ 私は逆に、ロシアにいた頃友人たちと会話クラブというサークルを立ち上げて留学生と交流していました。イベントを開いたり、ロシア語がまだそれほど話せない学生のために通訳や翻訳をしたり。いろいろな国の友人ができたんですよ。
高橋 僕たち別々の国で似たようなことをしていたんですね。
日本に来て、日本語を話して新しい自分を発見できたんです!(アンナ)
アンナ 高橋さんは中国で育って、アメリカへ留学して、それぞれの国の違いみたいなものって感じたことはありますか?
高橋 中国の人ってそこに暮らしていると親しみを持って接してくれるんですよね。お兄さん、お姉さんみたいな感じでフランクな人が多い。アメリカの学生はやっぱり主張が強いかな。授業中の発言回数なども多いですし。そうそう、アンナさんは「空気を読む」ってどう思いました? 日本独自のものだよね。
アンナ 確かにそのフレーズは日本で初めて聞きました。でも、はっきり言わなくても伝わるからすごく良いなって思います。例えば男性に二人きりの食事に誘われても、考えておきます、って言ったら分かってもらえるでしょ。
高橋 ああ、断られたって(笑)。
アンナ そう、ふわっとごめんなさい(笑)。だから、私はすごく日本向きなのかも。言葉って不思議ですよね。英語、日本語、ロシア語で自己表現の方法もかなり違ってくるから。
高橋 そうそう。僕も考えたことがある。僕は日本語でも中国語でも普通に日常会話できるんだけど、不思議と話した経験が一番浅い英語が一番自分を素直に表現できる。話す言葉でアイデンティティまで変わる気がするんですよね。
アンナ 私も日本に来て日本語で話して、ちょっと新しい自分を発見できたと思っています!
高橋 だから、留学に行くといろんな経験ができて、すごくたくさん得るものがあるんだけど、実は心の内の変化や成長が最も大きなものなのかもしれないですね。
アンナ 本当にそう思います。それからやっぱり視野が広がりますよね。海外の友達とも悩みを打ち明けたり、打ち明けられたりして。
高橋 実はさっき話した交流会は今でもオンラインで続いているんです。
アンナ すごい!
高橋 まさに昨日、韓国の友達から労務士の資格が取れたってグループチャットが来て。すぐ集まれるメンバーでお祝いしたんです。やっぱり留学したり交流会を開いたり、一歩踏み出す勇気が大切なのかなって思います。格好付けて言うと、見える世界が変わる。
アンナ やっぱり信頼関係を築くことが大切ですよね。
海外で暮らしたから自国の魅力に気付けたのかも(高橋)
高橋 就職活動でメーカーに目を向けられたのも、上海など海外から見て日本の強みは、その技術力や製品自体のクオリティだと気付けたから。そして、その魅力をもっともっと海外へ発信したい、認知させたいと思ったからなんです。
アンナ 私は上智大学への就職が決まっています。もともと教育と国際関係に興味があって。四谷キャンパスってグローバル社会の縮図でもあるから、そこで職員として働きたいと思ったんです。そして将来は、ダイバーシティ&インクルージョンをもっと促進したいんです。
高橋 留学生はもちろん、日本人の学生にとっても心強い職員さんになれそうですね!
アンナ ありがとうございます。お互いに頑張りましょうね!
※この記事の内容は、2021年11月時点のものです。