1つ1つの経験が自分らしさを磨いてくれる。

酒井 天音さん
経済学部経営学科1年
(「Sophia Start-up Club」代表 )

佐治 友基さん
BOLDLY株式会社 代表取締役社長 兼CEO
(経済学部経済学科 2009年卒業)

留学、課外活動、サークル、ボランティア、インターンシップ。夢をかなえるため、そして自分を成長させるため。大学でさまざまなことに挑戦した学生たちが語る入学から現在までの変化と成長を7つの対談から紐解きます。

起業家を目指す学生の“ふるさと”を作りたかったんです(酒井)

佐治 酒井さんは上智大学公認の起業サークルを立ち上げたんでしょう。1年生なのにすごいね。

酒井 「Sophia Start-up Club」といって、私も含め起業に興味を持つ学生の居場所を作りたいと思って。世界に羽ばたく起業家を輩出することを目標にしています。

佐治 僕は学生の時に起業するなんて思ってもみなかったな。だって1、2年で取った単位は16ですよ(笑)。就職活動を始めたのも4年生になってからだったし。

酒井 そうなんですか! 意外でした。佐治さんはどんな学生だったんですか?

佐治 ストリートダンスのサークルに入っていてね。夕方の練習に参加するために18時に北門をくぐる。皆が帰る時に来るんだから、そりゃ単位なんて取れないよね・・・。

酒井 サークルが中心だったんですね。

佐治 しかもダンスは得意じゃなかったんです・・・。でも、だからこそ自分の役割を見つけていくわけですよ。当時はパソコンを使って音楽や映像の編集ができる人なんて少なかったから、そういうことを積極的に請け負って。DJ的な立ち位置を確立しました。

酒井 なるほど!

佐治 バイトも頑張ってました。ベンチャー企業から、レストラン、工場、建設現場まで様々な場所に身を置いて、とにかくオリジナリティを深めるために、いろいろやろうと決めたんです。

酒井 オリジナリティ、ですか。

佐治 うん。酒井さんのオリジナリティって何だと思う?

酒井 独自性、私だけの新しさとか? ・・・難しいですね。

佐治 ある日受けた「人間学」の授業で、社会に出た時自分のオリジナリティをどう使うのか問われたんです。当時はうまく答えられなかったんだけど、先生は「自己を積極的に生かし、他者に貢献しなさい」とおっしゃったんですね。だから将来何になるか分からないけれど、とにかくいろんな人の気持ちを知っておこうと。

酒井 いろんな職種を経験されたんですね。

佐治 結局、結論は出なかったけれど、とにかくたくさん吸収してオリジナリティを磨いた学生時代でしたね。先生のその言葉が今でも僕の価値観の礎になっています。  

酒井 私も常々、起業して世の中に愛されるサービスを提供するためには、大学の外の人も知らなくちゃいけないと思っていたので、すごく共感できました。

佐治 「Sophia Start-up Club」は、どんな活動をしているんですか?

酒井 今は知見を広げるための勉強会を開いたり、様々な企業とコラボしてイベントを開催したり。上智出身の起業家の方に講演していただいたりもしています。

佐治 コロナだからって停滞なんてしていられないよね。酒井さん自身は将来、どんな会社を起こしたいか決まっているの?

うまく前に進めないと思ったら 一生懸命、横に行けば良いんだよ(佐治)

酒井 メンタルヘルスケア関連で起業してみたいなって思っているんです。

佐治 へえ、もう具体的なんだね。

酒井 佐治さんは、ソフトバンクの営業部門で販売施策などに携わってこられて、社内の事業戦略アイデアコンテストに応募されたことが会社設立につながったんですよね。どうやって自動運転というテーマに出会ったんですか。

佐治 よく調べてきましたね(笑)、ありがとうございます。実は締め切り間際、急に思いついたんですよ。携帯はモバイル、mobileは移動、移動といえば車・・・通信を使って車を遠隔コントロールできれば運転手がいらなくなって、人手不足解消になって、過疎地のお年寄りも自由に移動できて、社会貢献にもなる! という具合にどんどんアイデアが出てきて。書類審査は通ったんですよね。

酒井 すごい!

佐治 学生時代はダンスやバイトでどうやったら人が喜ぶかを考えてきたでしょ。就職してからはそのスキルを活かして魅せる資料作りをしてきたので、実は営業部でもプレゼンテーションは結構評価されていたんです。で、役員の前でもうまく発表できて、会社設立となりました。

酒井 全部つながっているんですね。

佐治 本当にそうだよ。「自己を積極的に生かし、他者に貢献する」の精神で、1つ1つの経験を積み重ねてきた結果です。もちろん、その時はどうつながるか分からないこともたくさんあるんだけど。

酒井 日常で経験する1つ1つの出来事を、大切にしたいって思いました。

佐治 酒井さんとは違って、現状目標が明確でない学生もいっぱいいると思うんですよ。やり方が分からないとかさ。でもまっすぐ進めなかったら、横に行っても良いし、上に行っても良いんだよね。

酒井 私も含め、たくさんの学生に勇気を与えてくださる言葉だと思います。

佐治 自然体で一生懸命やっていれば、チャンスはいろいろあると思うんです。せっかくの学生時代ですから、たくさん学んでたくさん出会って、何より楽しんで欲しいよね。

上智大学 Sophia University