
学科の特色
1958年の設置当初はカトリック教会の聖職者を養成するための学科として発足しましたが、現在では、キリスト教倫理やキリスト教文化を学ぼうとするすべての人びとに対して門戸が開かれており、卒業後の進路もさまざまです。キリスト教的価値にもとづき、現代世界の諸問題を展望し、混迷する現代社会にあって堅固な価値観を身につけ、人間と社会の真にあるべき姿を模索します。
日本で唯一のカトリック神学部として、カトリック教会の司祭・聖職者、宗教科教員、またキリスト教倫理・文化を身につけ国際社会に貢献する人を養成します。
日本で唯一の教皇庁立神学部
世界の伝統あるイエズス会大学の神学部と並んで、上智大学神学部は教皇庁立神学部として認可され、全世界に共通のローマ教皇庁認可学位の取得へと開かれています。
カリキュラムの特徴
1〜2年次ではキリスト教について基本的な理解を得るために、旧約聖書と新約聖書、キリスト教の教義の基礎、キリスト教と哲学の関係、キリスト教の歴史に関する科目を中心に学びます。3年次からは1~2年次で培った基礎を土台として、専門的な学びが展開され、教義学や教会史を学ぶ「神学系」、いのちの倫理や社会倫理を学ぶ「キリスト教倫理系」、キリスト教の思想や芸術を学ぶ「キリスト教文化系」の3つの系の専門分野に分かれてそれぞれの専門を深めます。4年次では3年次までの学びを踏まえ、各自で設定したテーマの研究成果を卒業論文にまとめます。
※科目の詳細については、シラバスをご覧ください
科目紹介
- 自然科学とキリスト教Ⅰ
科学とキリスト教神学の対話から生まれる多様な可能性を具体的な事例を交えて学びます。科学と宗教の関わりや科学と宗教が共同で担うべき課題についても考えます。
- キリスト教文学Ⅰ
キリスト教の伝統の中で生まれた日本と西洋の文学を通して、神学と文学の接点を探り、キリスト教的教養と信仰への理解を深めます。同時に、基礎的な文学の分析方法も身につけます。
- キリスト教の礼拝
キリスト教における礼拝の発生から発展の経緯、礼拝に使うシンボルについて学び、人間の宗教性と生活における儀式の必要性を学びます。キリスト教の美術・建築・音楽への知識も深めます。
取得可能な教員免許と教科
- 中学校教諭1種(宗教・社会)
- 高等学校教諭1種(宗教・公民)
学芸員課程が履修できます。
教育の目的・方針
-
神学を中核とし、キリスト教倫理並びにキリスト教文化を包括するカトリシズムをその歴史的変遷を踏まえて教育し、キリスト教的価値観の創造的発展に寄与すること
-
カトリック教会と国際社会に貢献するために、キリスト教的価値観に基づく教養を備えた地球市民的人材や聖職者・教職者を養成すること
-
本学部では、学生が卒業時に身につけているべき能力や知識を次のように定めています。卒業要件を満たせば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。
- カトリック神学とその価値観の基礎を修得し、それにもとづいて現代世界における諸問題に学問的にアプローチし、また実践的にコミットできる能力
- 学生が選択した「系」の分野に関して充分に精通し、当該領域の諸問題について分析・考究する能力
- 神学を研究するための調査・論考・発表に関するアカデミック・スキルズ
- 学生が選択した「系」の分野に沿ったテーマで卒業論文を完成させる能力
-
本学部では、ディプロマ・ポリシーに沿って、次のような科目群によりカリキュラムを編成しています。
- カトリック神学の基礎的素養を養う科目群
- 学生が選択する「系」(神学系、キリスト教倫理系、キリスト教文化系)に沿って、学生が各自の関心に従い、より専門的に勉学を深めるための選択必修科目群
- 神学を研究するための調査・論考・発表に関するアカデミック・スキルズを養う必修科目群
- 神学の勉学を総合する卒業論文執筆に向けた、問題解決と発表の能力を育てるための必修科目群
- 教皇庁認可神学部共通の国際的学位(STB/STL/STD)を取得するための基準に則した神学専門科目、また教会の必要に応えるための宣教実務に関する科目
-
本学部では、カトリック神学を主な教育研究の対象としており、以下のような学生を受け入れます。
- キリスト教に関する基本的知識を持っていること。
- 異文化や国際性に開かれた柔軟な思考能力があること。
- 人間の尊厳と社会正義に関心を持ち、ボランティア活動などの実践にも積極的であること。
- カトリック教会と人類社会への貢献を望むこと。
多様な背景をもった学生を積極的に受け入れるために複数の試験制度を設け、日本語のほかに英語やそれ以外の語学能力と歴史の知識の試験を行い、面接試験を重視します。また聖職志願者をはじめ社会の多様な人々を受け入れるため、編入学枠を設けています。
教員一覧
Juan Carlos HAIDAR 教授
小山 英之 教授
光延 一郎 教授