フランス文学専攻

教員と院生が協同してつくる、アットホームで真摯な学びの場

フランス文学専攻では、大学院を「教員と大学院生の学びの共同体」ととらえています。その土台にあるのは、寛容であるとともに批判を尊ぶキリスト教ヒューマニズムです。学部においてフランス文学、フランス文化、フランス語に深い興味をもった学生が、自分の興味をさらに専門的に掘り下げられるようなカリキュラムを用意するとともに、研究者や教育者を志す人には、より深く研鑚を積み、その目標が実現できるように指導を行っています。

また、研究をいっそう深め、さらに高度なフランス語の運用能力を身につけるために、在学中の留学を奨励しており、上智大学の交換留学生、フランス政府給費留学生などの各種試験への受験指導や留学先での指導教授の紹介なども行っています。

カリキュラムの特徴

博士前期課程では、複合的な解読と研究の方法を学んで知識を広げるため、一定数の授業を受講しながら、指導教員と連絡を密に保ち、修士論文を作成します。博士後期課程では毎年1篇の小論文を提出することを義務付けるとともに、博士論文の執筆の指導もきめ細やかに行っています。

授与学位

  • 博士前期課程:修士(文学)
  • 博士後期課程:博士(文学)

取得可能な教員免許・免許教科

  • 中学校専修(フランス語)
  • 高等学校専修(フランス語)

※教員免許が取得できる専攻は、博士前期課程に限ります。また、1種免許状を取得済、あるいは1種免許状取得要件を満たしている教科のみ取得可能で、必ずしも全教科取得できるわけではありません。

フランス文学専攻の特色

高い評価を得て企業に就職

フランス文学専攻の博士前期課程を修了して修士号を取得した者の中には、その語学力と教養を高く評価され、大手企業に就職するケースも少なくありません。

フランスで博士号を取得

博士後期課程の修了者は、主に大学・高校の教育の場で活躍。難関とされるフランス政府給費留学試験に合格し、フランスで博士号を取得する者や、その研究業績が内外の学会で注目されている者も多数います。

実践で養う確かな実力

幅広い教養と柔軟な思考力を持ち、世界と未来に開かれた新しい知を創造する力を伸ばすために、古典文学の再読、文化の総体の探究、現代社会との連結、語学能力の向上に重点を置いた実践教育を実施しています。

大学院生も発表できる学術雑誌

フランス文学専攻の大学院生は、専攻教員および修了生とともに「上智大学フランス語フランス文学会」を組織しています。毎年秋に開かれる例会は、若手研究者、大学院生の研究発表に加えて、ゲストの講演、シンポジウムなど多彩なプログラムの下、学会員の研鑽・交流の場となっています。また、学会の機関誌〈Les lettres françaises〉が年1回刊行されています。若手研究者に貴重な研究発表の機会を与えるこの雑誌には、大学院生の寄稿も推奨されています。

修了生の最近の主な研究テーマ

  • テオフィル・ゴーチエと幻想 ─ 幻想的な存在に与えられた理想美 ─
  • クロード・モネと都市の風景 ─ パリ、ロンドン、ヴェネツィア ─
  • ミラン・クンデラの作品における顔
  • L’instruction indirecte dans le Télémaque

教育の方針

博士前期課程

本課程では、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。複眼的視点と問題意識をもって専門的な知識と深い教養を獲得した上で、研究の成果として優れた学位論文を提出し、その審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. フランスおよびフランス語圏の文学・芸術に関する高水準の専門的研究をすることができる能力
  2. 専門的な研究を遂行しうる高度なフランス語運用能力
  3. フランスおよびフランス語圏の文化・芸術に関する深い教養
  4. 専門的な知識に基づいた的確な分析と論理的かつ説得的な構成・展開を備えた学術論文を書くことができる能力
  5. さまざまな分野で職業人として活躍しうる能力・適性

博士後期課程

本課程では、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。各人の専門において先端的な知識と高度な幅広い教養を獲得した上で、研究の成果として優れた学位論文を提出し、その審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. フランスおよびフランス語圏の文学・芸術に関して、国際的な水準で通用しうる高度な専門的研究をすることができる能力
  2. 国際的な学的交流を可能にする高度なフランス語運用能力
  3. フランスおよびフランス語圏の文化・芸術についての極めて深い見識
  4. 専門的な知識、先行研究の精査に基づく的確な分析と論理的かつ説得的な構成・展開を備えた学術論文を書くことができる能力
  5. 専門的な知識やフランス語運用能力を教育の現場に生かすことのできる能力・適性

博士前期課程

本課程では、ディプロマ・ポリシーに沿って、フランスおよびフランス語圏の文学・芸術の研究に関して、方法論を深化させ、多様な興味・関心を抱くことのできるよう、以下の趣旨を盛り込んだ科目によってカリキュラムを編成しています。

 

  1. フランスおよびフランス語圏の文学・芸術に関して、研究方法の修得・深化に役立つ専門的教育を行う。
  2. フランスおよびフランス語圏の文学・芸術に関して、多様な興味・関心を喚起しうる専門的教育を行う。
  3. 高度なフランス語運用能力を養成するための実践的な語学的訓練を行う。
  4. 修士論文作成のために、テーマの掘り下げ、プランの策定、論述の整備など、きめ細かい指導をする。

博士後期課程

本課程では、ディプロマ・ポリシーに沿って、フランスおよびフランス語圏の文学・芸術の研究に関して、国際的なレベルでのテーマと方法論の基準と選択について意識を高めるよう、以下のようにカリキュラムを編成しています。

 

  1. フランスおよびフランス語圏の文学・芸術に関する「特殊研究」を複数開設する。
  2. 博士論文作成のために、テーマの掘り下げ、プランの策定、論述の整備など、きめ細かい指導を行う。
  3. 給費留学や研究集会での発表など、研究者としての国際的な活動に道を開くための手助けをする。

博士前期課程

本課程は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. 専門的研究を遂行するための十分な意欲と能力をもつ学生
  2. 情報の収集、分析、総合を的確におこない、かつ研究成果を正確に伝達する能力をもつ学生
  3. 専門の枠にとらわれず広く芸術・文化の諸問題に関心をもつ学生

博士後期課程

本課程は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. 国際的な水準で高度な専門的研究を遂行するための十分な意欲と能力をもつ学生
  2. 情報の収集、分析、総合を的確におこない、それを独創的な研究成果としてまとめる能力をもつ学生
  3. 専門の枠にとらわれない学際的視野をもって学問研究に励むことのできる学生

教員一覧

小倉 博孝 教授

研究分野 16、17世紀演劇、とりわけラシーヌ悲劇、フランス悲劇誕生期から古典主義時代までの作品における悲劇性の問題。演劇理論の考察

Michael DESPREZ 教授

研究分野 16、17世紀フランス演劇。特にコメディア・デラレルテがフランス演劇の形成に及ぼした影響、17世紀における演劇の受容と観衆について。西欧近代における宗教とモダニズム
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永井 敦子 教授

研究分野 20世紀フランス小説、特にグラック、マルロー、サルトルの作品と同時代の社会思想との関係。シュルレアリスム、特に第二次世界大戦後のその思想的特徴、アメリカや日本における展開
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博多 かおる 教授

研究分野 バルザックを中心とした19世紀フランス小説研究。世論、噂、手紙、広告などをめぐる伝達と小説の言葉の問題、感覚風景、ヘテロトピアの分析。文学とオペラ、バレエ、音楽の関係性
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Bruno PEYRON 教授

研究分野 自伝的エクリチュールの研究。いかにして作家や芸術家が彼らの〈私〉を舞台に乗せるかについての、複眼的な視点からの考察。コンピューターソフトの語学教育への応用
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上智大学 Sophia University