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ニュース シンポジウム「ソフィアン国家公務員と話そう−日本、世界で活躍する先輩たち」を開催

シンポジウム「ソフィアン国家公務員と話そう−日本、世界で活躍する先輩たち」を開催

10月21日、国際関係研究所主催のシンポジウム「ソフィアン国家公務員と話そう−日本、世界で活躍する先輩たち」(後援:上智大学ソフィア会)が開催された。本企画は2016年度から毎年1回開催されてきた「上智出身の外交官と会おう」のリニューアル企画の2回目で、今年度はコロナ禍のためオンラインでの開催となった。本年は、4名の外務省総合職の卒業生と国家総合職内定者をゲストに迎え、70名以上の学生・卒業生が聴講した。

【企画の趣旨】
本企画は、藤崎一郎元駐米大使(現中曽根平和研究所理事長)が本学の特別招聘教授だった際に、上智の学生は力があるのに国家総合職(以下、「総合職」とする)ではなくはじめから国家一般職・専門職(以下、「一般職」「専門職」とする)を目指すものが多い現状に気づき、実際に総合職として活躍する卒業生の話を聞けば認識が変わるのではないか、という思いから始まった。また、同元大使の受験には共に学ぶ仲間が大切であるという考えを背景として、学内で「国家総合職関心者勉強会」が設立され、毎年多くの学生が参加している(この勉強会の運営の実務は同元大使の本学TAだった宮崎真氏が担当している)。本学同窓会組織のソフィア会も2018年から企画の趣旨に賛同し、本企画を多方面から支援している。この他、「日本外交政策入門」という輪講科目が設置され、藤崎元大使や外務省勤務の卒業生から日本外交について学べるようになっている。

【開催当日の概要】
冒頭、鳥居正男ソフィア会会長の開会の挨拶から幕を開け、本企画支援への思いとして、国民(他者)への貢献は上智大学の建学精神に沿っており、一人でも多くの卒業生が国家公務員として日本、世界に貢献することへの期待を述べた。続いて、藤崎元大使の基調講演では、自らの学生時代を振り返り、「50年ほど前は出身の慶應大学から外務省の総合職を目指す人はほとんどいなかったが、入省後は業務が多忙なため出身大学が気にされることはなく、きちんと仕事をする人に多くの仕事が任されていた」と言及し、ぜひ上智生にも総合職にチャレンジしてほしいと述べた上で、学生生活を送る上での心構えについても語られた。

第一部のシンポジウムでは、卒業生のゲスト4名から、採用に出身大学が影響するか、大学での経験や試験対策、総合職として大切だと考えられる資質、総合職と一般職・専門職との違い、国家公務員のイメージといった点を中心に語られた:
今西淳東北大学公共政策大学院教授(前外務省大臣官房儀典総括官、1993年卒)は、国家公務員として大切だと考えられる資質について言及した上で、試験対策としては、志望動機や自分の長所と短所を的確に表現できることが重要で、総合職は様々な分野の業務に携わり、組織をマネジメントしていくことが求められる点で専門職と異なると述べた。

安藤史哲国際法局社会条約官室首席事務官(2008年卒)は、自身も受験を検討した際は出身大学と採用の関係が気になったが、当時参加した説明会で、卒業生かつ本企画のゲストでもある、小野健アジア大洋州局北東アジア第一課長(1997年卒)や梶原徹経済局サービス貿易室長(1997年卒)が外務省で活躍している話を聞き、外務省を目指そうと決意したと語った。また、参加者に向け、出身大学の話題に限らず根拠のないことに惑わされず、各省庁のメッセージを正しく理解し、経験から学びとる能力があることを如何に面接官に説得力をもって伝えられるかが重要だと述べた。

小野課長も、採用には出身大学は関係ないと指摘した上で、これまで経験してきたことを深く考え日本のために働きたいという熱い心と、相手の立場にたって冷静に判断することができる力が重要だと述べた。また、外務省を目指すにあたり、まずは目的と手段を考え、総合職と専門職のどちらが向いているか整理すること、更には、世の中の常識と思われることについても時には疑い天邪鬼になって考えてみることを勧めた。

梶原室長は、外交官の資質として、日本だけでなく様々な国の外交官との出会いを通して、対立する様々な利害を調整し最適な方策を考えられるバランス感覚、人や国とチームに愛着を持って対応できること、更には仕事が長時間に及んでも精神的・肉体的健康を維持できる体力や自己管理が重要であるという考えを示した。
第一部の最後には、安野正士国際関係研究所所長が主催者挨拶として、外務省に限らず国家公務員の仕事に目を向けて挑戦して欲しいという願いのほか、歴史的に活躍した人物の多くが身近に高め合う仲間がいたことについて言及し、学生・卒業生にも積極的に勉強会に参加するよう勧めた。

続いて、第二部の情報交換・交流会では、内定者の中村美理さん(法学部4年)が自身の合格体験を語り、参加者からはゲストに様々な質問が寄せられ、活発な質疑応答が繰り広げられた。イベント終了時間が近付いたところで、藤崎元大使が総括として、自身が43年間充実した公務員人生が送れたことを振り返った上で、参加者に向けて、総合職の試験は決して上智生には超えられない壁ではないこと、他方で合格にはグループをつくって情報を交換し交流することが重要であることを指摘し、参加学生や卒業生を激励した。最後に、江波戸隆明ソフィア会常任委員(1984年卒)より閉会の挨拶として6名のゲスト、参加者、企画準備と運営に携わった関係者への謝辞があり、イベントは盛会のうちに閉会した。