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ニュース 本学学生が新潟県佐渡市松ヶ崎小学校との連携教育事業「Dream Project」で授業を行いました

本学学生が新潟県佐渡市松ヶ崎小学校との連携教育事業「Dream Project」で授業を行いました

2020年2月より始まった本学学生と新潟県佐渡市松ヶ崎小学校との連携教育事業「Dream Project」。2020年度は、コロナ禍の中でもオンライン授業が実施され、大学生と小学生が共に学びました。

プロジェクトの背景

本プロジェクトは、2019年度に開設したアルペ国際学生寮の教育プログラムや、2018年度から開校されている春学期全学共通科目『社会的価値創出のためのプロジェクト形成論』を担当する戸田裕昭氏(グローバル教育センター非常勤講師)により構築され、2019年11月から始まりました。

これは、新潟県佐渡市地域振興課が主宰する「島スクール」をきっかけに、戸田氏によるアレンジで同市の松ヶ崎小中学校との連携教育事業として立ち上がったプロジェクトです。戸田氏は、2020年度松ヶ崎小学校「総合的な学習のための時間」アドバイザーに就任したことから、年間カリキュラムの構築にも携わっています。

「小学生に、輝く未来の自分像をイメージしてもらい、好きなことや夢に向かっていくことの大切さを伝えたい」という想いを、学生たちが引継ぎながら実施されています(プロジェクト創出時の取り組みはこちら)。

2020年度に実施された取り組み

2020年3月に実施されたオンライン対話の成功をもとに、今年度のDream Projectでは、松ヶ崎小学校の黒川健校長、本橋頼子教諭、村田大夢教諭と戸田氏が議論を重ね、年間カリキュラムの一貫として授業を実施することとなりました。

「子ども達の可能性を広げることと、国際交流をする上で対等な関係性を築いてほしい」という想いをもとに、2020年度全5回の授業を実施しました。

前期は、小学生と学生の交流も兼ねた内容です。

■第1回 2020年6月8日(水) 学生によるプレゼンテーション(1)
「視野を広げる」「国際理解」をテーマに、学生の体験談を発表。児童の皆さんからの質問で交流。

オンラインでつなぐ授業

■ 第2回 2020年7月13日(月) 学生によるプレゼンテーション(2)
「行動する」とは? 夢を持ち、その実現のためにどのような行動をしているか、戸田氏からのアドバイスも含めながら学生の体験をもとに児童の皆さんとワークやディスカッションを行いました。

後期は、児童の皆さんの「行動する」力をふまえ、さらに視野を広げるための授業を実施しました。「周りのことや見えている世界には、一つひとつ全てに意味がある、と考えられる力を身につけること」を目的として、コンセプトを「固定概念を取り払い、自身の“当たり前”を見直す」に設定。3回の連続授業を実施しました。

これらは、無意識のうちに持つ「当たり前」について知り、その背景を知ることによって、全てのことに対して疑問をもち、多角的な視野で物事を考えられるようにする力をつけることを目的に、ワークショップ・ディスカッション形式の授業としました。

■ 第3回 2020年11月18日(水) 「当たり前に気づき、その背景を考えてみよう」
誰もが無意識にもつ「当たり前だと思っていること」を、日常的な一場面を切り取った写真を用いたワークショップを通して気づき、身の回りのことに疑問を持てるようにすることを目的に、授業を行いました。

■ 第4回 2020年12月2日(水) 「当たり前を変えてみよう」
「当たり前」だと思っていることには、別の可能性や手段があるかもしれない、ということに気づくことを目的に、「当たり前」とされていることの理由や背景についてディスカッションを実施しました。

佐渡市・松ヶ崎小学校の児童の皆さんとのディスカッションの様子

■ 第5回 2020年12月16日(水) 「当たり前をアップデートしよう・まとめ」
これまで得た気づきをもとに、「当たり前」だと思っていることを自分たちでどのように変えていくことができるかディスカッション。「一つひとつのことには意味がある」ことに気づき、必要があれば自分たちで変えていく・新しい視点を持つということを伝えました。

参加学生の声

「自分たち自身の経験を通じて小学生の夢につなげてほしい」という想いから、先輩たちから本プロジェクトを引継ぎ、実施した江川真唯さん(総合グローバル学部2年)と中村あかりさん(総合グローバル学部2年)は、松ヶ崎小学校の先生方や戸田氏との打ち合わせや、授業を行うという経験を通して、自分たち自身が多くの気づきを得たといいます。さらに、このコロナ禍の状況においても、遠隔教育事業だからこそ為せたなりました。

  • 江川真唯さん
    「これまで海外での子ども達とのワークショップなどを行ってきた経験はありましたが、最も重要な自分の母国の小学生との交流をするのは初めてでした。このプロジェクトに携わらせていただく中で、コンテンツを考えていく際に自分自身が小学生の時に教わりたかった事って何だろう。と考えるようになり、子ども達のためになるコンテンツを考えられた事で一方的な授業ではなく相互にやり取りができたのでよかったです。
     授業の計画は毎回苦戦した事であり、どうしたら小学生にうまく伝えられるのかなど試行錯誤の繰り返しでした。実際にやってみてもしっくりこないこともあったりしましたが、最終的には子ども達からのメッセージとして伝えたかったことをそのまま学びとして発表してくれた生徒が何名かいたのでとてもやりがいになりました。このDream Projectを通して学んだことを今後の活動にも活かして行きたいと思います。」

  • 中村あかりさん
    「小学生との交流によって新たに気づかされる点があり、多くのことを学ばせていただきました。特にディスカッションでは、自分では気づかない部分に小学生が着目していて、新たな視点から物事を考え直すきっかけになりました。自分達の言いたいことをいかに、わかりやすく伝えていくか試行錯誤の連続で、伝えることの難しさを痛感しました。大変な時間であったからこそ、自分自身大きく成長でき、とても貴重な体験になりました。」

松ヶ崎小学校の声

  • 児童
    「この授業を受けて、普段見ているニュースでも「あれ?」と疑問を持つようになりました。どれも意味があることや、背景について考えることを忘れないようにしていきたいと思います。」

  • 松ヶ崎小学校校長 黒川健先生
    「様々なかかわりを通して多様性に気付き、他者を認め、自分自身の可能性を広げることができます。しかし離島での学び、ましてコロナ禍では、かかわりにかなりの制限がありました。この取組を通して子どもたちは、多様な見方や考え方ができるようになってきたと感じています。「こんなこともできるんだ」「こんな世界もあるんだ」と気付き、思いを膨らませていました。
     その後の学校生活の中でも自分たちの当たり前から一歩踏み出し、多様な考えを受け止め、相手から学び、相手を認め理解しようとする姿が多く見られるようになりました。学習指導要領の総則にも「個性を生かし多様な人々との協働を促す教育の充実に努めること」とありますように、激しく変化する当惑の時代を生きる子供たちにとって大切な資質能力育んでいただきました。子どもたちに寄り添い、ご支援いただいた江川さん、中村さん、戸田先生に感謝しております。ありがとうございました。」

  • 授業を実施する本橋頼子教諭
    「これからの時代、社会に開かれた教育課程を実現していくために、子供たちに必要な力を見定め、協力してくれる外部機関を開拓、交渉していくスキルがより一層必要になると気づく機会となりました。今回協力してくださった江川さん、中村さん、本当にありがとうございました。また、この未来あるお2人の学生を導いた戸田裕昭氏に心よりお礼申し上げます。」

  • 授業を実施する村田大夢教諭
    「江川さん、中村さん、戸田先生との授業で、子どもたち自身が普段気づかないことに目を向けるようになったり、生き生きと話したりする姿が印象的でした。このような機会をいただいたことに感謝します。」

今後も引き続き、本学学生によるプロジェクトについて紹介していきます。