駐日ドイツ連邦共和国大使が上智大学で講演を行いました

大使と本学関係者

10月28日、駐日ドイツ連邦共和国ペトラ・ジグムント大使が四谷キャンパスを訪れ、「中国から日本へ(Von China nach Japan)」と題した講演を行いました。会場には、100名を超える学生や教職員が集まり、熱心に耳を傾けました。この講演会は上智大学ヨーロッパ研究所と文学部ドイツ文学科が主催し、司会は文学部名誉教授のメヒティルド・ドゥッペル氏が務めました。

講演に先立ち、杉村美紀学長が歓迎の挨拶を行いました。今回の講演会は、本学ドイツ文学専攻の大学院生がジグムント大使に直接訪問を依頼したことがきっかけとなり、大使がその要望に応える形で実現したものであることが紹介されました。続いて、上智大学とドイツとの長年にわたる深い関係についても言及がありました。創立当初からドイツ文学科が設置されていたことや、ヨゼフ・ダールマン神父、初代学長ヘルマン・ホフマン氏の存在、学内施設にドイツ語由来の名称が多く見られることなどが語られました。また、2015年のケルンオフィス開設、DAAD(ドイツ学術交流会)との連携、四谷キャンパス内に所在する日本ドイツ研究所の存在など、学術・文化交流の歴史が強調されました。

本学訪問をリクエストした大学院生と
大使による講演の様子

講演では、ジグムント大使が自身の留学経験や外交官としてのキャリアを振り返りながら、ドイツの対アジア政策や日独関係の重要性について言及しました。特に、インド太平洋地域における戦略的連携の必要性や、価値を共有する国との協力の重要性が強調されました。また、女性外交官としてのキャリア形成や家庭との両立についても率直に語られ、学生たちにとって大きな励みとなる内容でした。

講演後には質疑応答の時間が設けられ、外交政策、女性の働き方、日独の学術交流など多岐にわたるテーマが取り上げられました。会場の参加者から「外交官として大切にすべき精神とは」「国家間の意見の違いをどのように調整するか」など、たくさんの質問が寄せられ、大使は一つひとつ丁寧に回答しました。

今回の講演は、上智大学が掲げる「For Others With Others」の教育精神のもと、国際的な視野を広げる貴重な機会となりました。今後もドイツとの学術・文化交流のさらなる発展が期待されます。

上智大学 Sophia University