
6月29日、外国語学部ポルトガル語学科は学科同窓会と共催で20年ぶりとなるサンジョアン祭を開催しました。学科長の子安昭子教授が、復活に至った経緯と当日の模様を振り返ります。
20年ぶりに復活したサンジョアン祭
外国語学部ポルトガル語学科長 子安 昭子
ポルトガル語学科では1972年からサンジョアン祭を毎年開催してきましたが、2005年に中断。今年20年ぶりの復活となりました。
サンジョアン祭はカトリックの聖人の聖ジョアンを祝福する宗教的行事に加え、収穫祭を楽しむ意味もあります。ブラジルやポルトガルで6月に開催されるため「6月のお祭り」(フェスタ・ジュニーナ)とも呼ばれます。
ポルトガル語学科が今年、サンジョアン祭そしてお祭りの定番クアドリーリャというフォークダンスを復活させたのは、2人の学生が「学科でポルトガル語圏に関するイベントをやりたい」といってきたことがきっかけでした。かねてから現役教員の間でもサンジョアン祭をもう一度やりたいという気持ちは強く、今回実現に至りました。
当日は盛りだくさんのプログラムでした。学生たちによるポルトガル語会話教室、先住民社会をテーマに留学先のブラジルで参加したフィールドワーク報告、ポルトガル語劇団による詩の朗読と人形劇、学科のネーヴェス先生によるファド独唱、クアドリーリャ、そして課外活動団体の中南米研究会によるサンバ演奏でした。


今年のサンジョアン祭には目黒区にある2つの小学校の国際交流クラブの児童も来てくれました。きっかけは顧問の先生からの1通のメールでした。今年2025年が「日本ブラジル国交樹立130年」ということを知り、国際交流クラブとしてブラジルの人たちとの交流を考えていること、上智大学にはポルトガル語学科があるので、ブラジルとの交流について教えてほしいとあり、それならばぜひサンジョアン祭へと、参加をご提案しました。先生や保護者に引率され本学にやってきた児童は総勢25名。会場でふるまったブラジルのチョコレートやポップコーンを食べながら、熱心に、そして楽しそうにすべてのプログラムに参加してくれました。

いよいよプログラム終盤のクアドリーリャ。今日のために練習した成果を学科1年生がまずは披露、続いて会場にいたすべての皆さんを踊りの輪にいざないました。現役学生、ブラジルなど中南米からの交換留学生、卒業生、そして学科の元教員(御年81歳!)、その数およそ200名。まさに圧巻でした。
小学校の児童たちもお揃いの帽子と黄色いスカートで踊ってくれました。クアドリーリャの興奮が冷めやらぬうちに始まった中南米研究会の生演奏。サンバの熱いリズムが第三体育館を包み込みフィナーレを迎えました。
もう少し小規模で開催する予定がここまで大きくなったことには我々学科としても驚きでした。皆それぞれにサンジョアン祭を楽しんでくださったことは間違いないと思います。多くのひとたちがつながったサンジョアン祭、来年も上智大学で開催します。