インド工科大学デリー校との協定締結を記念し「インドウィーク」を開催しました

基調講演を行うシビ・ジョージ駐日インド大使

7月1日から3日にかけ、四谷キャンパスで、「上智大学インドウィーク」を開催しました。


急速な経済成長と豊富な市場機会を有するインドは、特に理工分野において高い教育水準を誇ります。本学は、同国をグローバル化推進の戦略的展開地域のひとつと位置づけ、今年4月に、世界のIT産業を牽引する人材を輩出する名門・インド工科大学(デリー校、以下IITD)と連携協定を締結しました。

本イベントは、両校の協定締結を記念して開催され、産官学連携による日印関係の強化に力を入れるシビ・ジョージ駐日インド大使を招いてのシンポジウム「日本とインドの未来:大学の役割」のほか、上智大学とIITDの研究者による交通科学とテクノロジーをテーマにしたワークショップなどが3日間に渡り開催されました。

シンポジウム「日本とインドの未来:大学の役割」

国際機関や企業からも専門家が登壇したパネルディスカッション

1日目に開催されたシンポジウム「日本とインドの未来:大学の役割」では、はじめにシビ・ジョージ駐日インド大使による基調講演が行われ、日本とインドは政治的、経済的、文化的にも隣人であることが強調されました。

続いて、IITDのジェームス・ゴメス教授、東洋大学大学院のサクチ・クマール教授、帝人インドの岡田考平氏、JICA南アジア部の伊藤晃之氏、JETRO企画部の中山幸英氏、JSTさくらサイエンス推進本部の西川裕治氏が登壇し、本学理工学部の元教授でIITD客員教授の東善郎氏のモデレートにより、産学官の視点から日本とインドのパートナーシップの現状と今後の展望についてディスカッションが行われました。

最後に、ジョン・ジョセフ・プテンカラム上智学院グローバル化推進担当理事が「様々な形、レベルでインドと日本の関係を発展させてゆきましょう」と述べ、シンポジウムを締めくくりました。

ワークショップ「機械工学―ヘルスケアと産業機械―」

理工学部教員によるラボツアー

2日目の午前中には、理工学部主催のワークショップ「機械工学―ヘルスケアと産業機械―」が開催され、両大学の研究発表が行われました。

また、プログラム終了後には、IITD関係者に本学の施設を紹介するラボツアーの時間も設けられました。ワークショップのコーディネーターである竹原昭一郎機能創造理工学科教授は、IITDとの初共催にあたり、「一般の方や、学生の参加が多く、インドとのつながりへの関心の高さがうかがえました。

IITDの教員からも本学との連携について、非常に前向きなコメントをいただき、今後の様々な分野での共同研究のきっかけとなるイベントになったと思います」と感想を述べました。

ワークショップ “University Students in India”

上智大学で学ぶインド人留学生によるプレゼンテーション

同日午後には経済学部主催のワークショップ“University Students in India”が開催され、日印両国の大学生活の様子が報告されました。日本の学生がインドの大学で学ぶことの価値や、反対にインドの学生が日本の大学で学ぶことのメリットについて交互にプレゼンテーションがあり、活発な意見交換が行われました。

コーディネーターである樋口裕城経済学科准教授は、当日の様子について、「IITDで教鞭をとる東善郎先生、池田恵理先生によるインドの学生生活紹介に始まり、IITDの現役学生2名と上智に留学しているインド人2名による報告が続きました。それをうけての質疑応答も活発で、有意義な意見交換となりました」と振り返りました。

ワークショップ「持続可能な都市型交通」

インドの高速鉄道におけるエネルギー最適化について研究発表を行うIITD研究者

3日目には、再び理工学部主催でワークショップ「持続可能な都市型交通」が開催され、東京大学や千葉大学、また、株式会社本田技術研究所や東京地下鉄株式会社からもゲストスピーカーが登壇しました。

コーディネーターの宮武昌史機能創造理工学科教授は、ワークショップの終了後、「先進的な研究発表と活発な質疑により本学とIITDとが協調できそうなことが明確になりました。持続可能な世界はインドの協力なしではできない。両校がハブとなり、それぞれの国の大学や産業界との連携をも強化できることを期待したいです」と語りました。

会場には在学生のほか他大学からも参加者が訪れ、コーヒーブレイクの休憩時間中にも、活発な意見交換が行われました。

上智大学 Sophia University