ソフィア・ダイバーシティ・ウィーク2023を開催しました -共生社会の実現に向けて、学生・教職員が協働し7つの企画を実施-

ダイバーシティ推進室では、11月25日の「女性に対する暴力撤廃デー」から12月10日の「世界人権デー」(含む「12月3日障害者デー」)までをソフィア・ダイバーシティ・ウイークと位置づけ、毎年さまざまなイベントを行っています。学生と教職員が協働し、多様性を受け入れる共生社会を目指して今年で6年目。今回はオンラインと対面を織り交ぜて7つのイベントを実施しました。

その中でも学生実行委員会が企画した3つのイベントは、いずれも参加者と多様性について「一緒に考える」「体験して考える」ことを目的として開催されました。イベントごとに一つのテーマを掲げ、ワークショップや専門家による講演や対談などを行いました。

生理の貧困に関するディスカッションの様子

11月27日に行われた学生企画、「Period 一緒に考えよう、これからの社会のために ~生理の貧困~」では、ジェンダー・セクシュアリティ問題に取り組む学生団体GES(Gender Equality for Sophia)のメンバーが参加。女性の経済的な側面だけに留まらない、生理に関わるさまざまな世の中の「不」に対する説明や、課題解決への取り組みに関する紹介がありました。グループワークコーナーでは活発なディスカッションが行われ、「知ろうという姿勢が大事」「今日をスタートにして、周りの人を巻き込んで行動に移して欲しい」といったコメントがあり、男女関係なく社会全体の大きな問題として考える貴重な機会となりました。

同日開催となった総合人間科学部心理学科企画による「同調圧力『じゃあ私も』について考える」では、学生参加型の企画や同学科の樋口匡貴教授による講演が行われました。樋口教授は「多元的無知への抗い」について触れ、「あなたが行動しないと、他の人も『あ、それでいいんだ』と思ってしまう。自分の役割の重大性を知ろう」と語りました。20人を超える参加者が、他者に配慮しつつも自分自身の意見も大事にするバランスのとり方を考える、価値ある時間を共有しました。

心理学科 樋口教授の講演
差別に関する意見や解決策を見つめる学生

12月7日には今年の目玉企画として、僧侶・メイクアップアーティスト・LGBTQ活動家の西村宏堂さんと、世界的モデルでチャリティや社会貢献に励む冨永愛さんを招待し、「ダイバーシティ」や「ありのままに生きること」について語るトークイベントを開催。2人が登壇すると会場中に大きな拍手が響き渡りました。そして「最近気になること」「海外で辛かったこと・楽しかったこと」「ファッション・メイクについて」など、さまざまなテーマでのトークセッションや、学生を交えた質問コーナーが行われました。

西村さんは「ダイバーシティはいろいろな友達、仲間ができる・待っている、というのが一番大事なポイント」と、多種多様な人と繋がり、楽しむことができる未来への希望を語りました。また、冨永さんは「ダイバーシティはこれからの日本にとってとても重要なこと。もちろん大人が変わることも必要ですが、皆さんの世代がダイバーシティを体現していけば必ず日本の未来は変わると思う。ファッション、メイクから宗教まで、自分の好きなことを好きとはっきり言える日本にしていってもらいたい」と、会場を埋め尽くした参加者へ熱くエールを送りました。

学生から花束を受け取った西村さんと冨永さん

その他、期間中には差別に関する問題を理解し解決策を考える企画や、持病やアレルギーといった、人々がそれぞれ日常の場面で感じる困りごとを追体験するイベントなど、さまざまなアプローチ方法でダイバーシティに関する問題を取り上げました。

上智大学 Sophia University