地元住民や行政と連携し、エジプト地域の塩害抑制を目指す文理融合型研究が高く評価

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)において上智大学の研究課題が私立大学として唯一採択されました

上智大学外国語学部フランス語学科の岩﨑えり奈教授の研究課題が国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の2023年度(令和5年度)の「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPSサトレップス)」に条件付き※で採択されました。令和5年度は61課題の応募に対し、10課題が採択され、本学は私立大学として唯一の採択となります。

今回、採択された研究テーマは「エジプト西部砂漠のオアシス社会における住民の理解と参画を軸とした水・土地資源の持続的利用モデルの構築」です。中東北アフリカ地域の社会経済を専門とし、同地域において15年間にもわたる研究実績を持つ岩﨑教授がリーダーとなり、社会科学者と自然科学者からなる研究チームが文理連携による独創的なアプローチでエジプトにおける水資源の課題解決に取り組みます。上智大学はイスラーム地域研究所、アジア文化研究所、地球環境研究所などの本研究に関連する複数の研究拠点を有する総合大学であり、これまで培ってきた知見に基づき持続的・包括的なオアシス地域管理手法の提案を行います。本プロジェクトでは、現地住民と協働し、同地域の灌漑農地において拡大する塩害の抑制と土地の持続的利用に向けて新たな知を創造してまいります。

SATREPS(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development サトレップス)とは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)がそれぞれ独立行政法人国際協力機構(JICA)と連携して、地球規模課題の解決に向けた日本と開発途上国との国際共同研究を推進するプログラムです。環境・エネルギー、生物資源、防災、感染症の4つの研究分野を対象に日本と開発途上国の研究者がともに課題に取り組み、現地のニーズを踏まえながら実社会で活用可能な知識や技術を新たに創り出していくことにより、持続可能な開発を目指しています。

※条件付き採択:今後、外務省による相手国政府との実施に係る国際約束の締結、それに続くJICAによる相手国関係機関との実務協議を経た後、研究課題ごとに正式に共同研究を開始するため、現時点では「条件付き」での採択となっています。

【研究概要】

研究課題名:

エジプト西部砂漠のオアシス社会における住民の理解と参画を軸とした水・土地資源の持続的利用モデルの構築

主要相手国研究機関:

国立リモートセンシング宇宙科学機関(エジプト・アラブ共和国)

研究代表者:

外国語学部フランス語学科 教授 岩﨑 えり奈

研究のポイント:
  • エジプトのみならず他地域でも喫緊の課題である水資源問題への方策提言
  • 社会科学系と自然科学系の文理融合型の独創的なアプローチ
  • 研究者・行政・地元住民の協働による持続可能な研究開発手法

【本件に関するお問い合わせ】
上智大学 広報グループ
電話:03-3238-3179
e-mail:sophiapr-co@sophia.ac.jp


岩﨑 えり奈 教授

研究分野 北アフリカ社会経済
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