元国連ユネスコ事務局長 松浦晃一郎氏の講演会が行われました

講演中の松浦晃一郎氏

2月19日(火)、元国連ユネスコ事務局長の松浦晃一郎氏を迎えて、講演会「世界遺産:次世代に残すべき人類の宝」が開催されました。本学グローバル教育センターでは、今年度から「世界文化遺産」に関する授業科目を2つ開講しています。この講演会はこれらの共通講義として実施され、かつ、一般にも公開されました。

松浦氏は、外務省北米局長や駐仏大使を歴任された後、1999年から2009年までの10年間、国連教育文化科学機関(UNESCO)の事務局長を務められました(歴代の事務局長の中で唯一のアジア出身者)。講演会の司会は、グローバル教育センター長で元ユネスコ職員でもある小松太郎 総合人間科学部教育学科教授が務めました。

松浦氏は、講演の中で、世界遺産に登録されるための基準について説明しました。その基準の一つである、建造時のまま保存されているというauthenticity(真正性)という考え方について、伝統的な技法を用いて木を取り替えながら保存を重ねる日本の木造遺産が、この考え方に新たな意味を付与したと解説しました。また、松浦氏は、アジアやアフリカ地域に見られる踊りや歌といった「無形文化財」を保護する条約を発足させたことについて、当時の苦労話も披露しました。

世界遺産を知ることは、世界の人々や社会の多様性に関心を持ち、国際理解を深める学びとなります。そのための重要な役割を果たす国連ユネスコの活動の一端を垣間見ることのできる貴重な機会となりました。

上智大学 Sophia University