世界と私たちの未来について考える2週間
第9回となる「上智大学国連Weeks」が、国連広報センターの後援で6月1日から11日日まで開催されました。この企画は「国連の活動を通じて世界と私たちの未来を考える」をコンセプトに毎年2回開催されています。今回は国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)を中心に7つのイベントと「SDGsパネル展」が行われました。各会場には本学学生のほか、多くの高校生や社会人も来場し、来場者数は延べ1,000人を超え盛況に開催されました。
キャリアセッション「国際機関・国際協力キャリアを語ろう」(6月1日)
国際機関や国際協力分野でのキャリアを考える人に向けた企画として開催されました。冒頭に国際協力人材育成センター客員所員で元世界銀行主席都市専門官の鈴木博明氏がニューヨークからスカイプで講演を行い、国際機関でのキャリア形成について語りました。その後、国連開発計画駐日代表事務所の近藤哲生代表や国連難民高等弁務官事務所駐日事務所のダーク・へベカー代表、NGO法人セーブ・ザ・チルドレンの千賀邦夫事務局長など、9機関10人の国際協力人材育成センター・アドバイザリーネットワークメンバーが登場。それぞれのブースに分かれ、車座になって参加者からの質問に答えました。参加学生からは「普段話せない国際機関の駐日代表らと直接会話することができ、参考になりました」などの感想が聞かれました。
トークセッション “World Order in an Age of Uncertainty:Challenges and Opportunities for the United Nations” (6月4日)
このセッションは、ジュネーブの国連欧州本部からデビッド・チクバイジェ官房長を招聘して開催されました。冒頭の基調講演で、チクバイジェ氏は、国連の歴史に沿って、時代ごとにおける国連の役割や問題点について丁寧に解説。トークセッションでは、同氏のほかに元国連事務次長・事務総長特別代表の明石康氏、本学客員教授で元駐米大使の藤崎一郎氏が加わった。モデレーターは元国連広報官で総合グローバル学部の植木安弘教授が務め、国際情勢や世界の秩序が大きく変化する現在における国連の役割と課題について、熱い議論が交わされました。
平和構築セミナー「JICAの平和構築支援と国際機関とのパートナーシップ」(6月5日)
日本の国際協力分野における中心的な組織である国際協力機構(JICA)が取り組む平和構築活動や、国連との連携などについて紹介するセミナーも行われ、会場の2号館17階国際会議場は250人を超える来場者で満員となりました。JICA平和構築・復興支援室の坂根宏治室長が現在の活動状況などを説明し、国際教養学部の安野正士准教授とグローバル教育センターの東大作教授も加わって、会場からの質問に応える形で議論を展開しました。
シンポジウム「SDGs達成のための教育・研究活動の役割を共に考える」(6月6日)
本学の海外協定校である、教皇立ハベリアナ大学(コロンビア)と共催で行われました。同大学から環境問題の専門家である2人の教授を招聘して開催され、本学からも地球環境学研究科の教員を中心に登壇しました。SDGsの達成を見据え、アジア地域とラテンアメリカ地域の湿地環境の保全および活性化を題材に、日本とコロンビアのパートナーシップ構築に向けた議論が行われました。
シンポジウム「ビジネスと人権」(6月7日)
世界人権宣言の国連総会採択70周年を記念して開催。本学とグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、ジェトロ・アジア経済研究所、Ey Japan 気候変動・サステナビリティサービスの4者が共催しました。
国連人権高等弁務官事務所人権・経済社会問題課長のレネ・ウェンドランド氏の基調講演から始まり、「人権尊重を促進する金融の役割」「海外のサプライチェーンにおける人権課題」「2020東京オリンピック・パラリンピックと外国人労働者の権利」の3つのパネルディスカッションが行われ、多くの学生や企業のCSR担当者らが参加しました。
シンポジウム「高等教育におけるESD:大学はSDGsにいかに向き合うか」(6月8日)
タイにあるチェンマイ大学の「社会科学と持続的発展のための地域センター」所長チャヤン・ヴァダナプティ教授が、高等教育機関におけるESD(持続可能な開発のための教育)について東南アジアの事例をもとに講演しました。その後のパネルディスカッションでは、聖心女子大学の永田佳之教授、国連大学サステイナビリティ高等研究所のフィリップ・ヴァウター博士、総合人間科学部の小松太郎教授も加わり議論を深めました。
写真セミナー「SDGs学生フォトコンテスト2018×未来メディアカフェ SDGsフォト教室」(6月11日)
最終日は、現在作品募集中の「SDGs学生フォトコンテスト」の関連企画を実施しました。同コンテストのメディアパートナーである朝日新聞社の記者が講師を務めた。今回の募集テーマ「撮ってみよう!日本で見つけたSDGs」に関わる写真を参加者が事前に撮影し、その作品をもとにワークショップが進められました。今年度から応募可能となった高校生も参加し、身近な場所でSDGsを考える機会を提供しました。