UDトラックス社のイルバ・シェールさんが本学教職員向けに講演しました

2月25日、四谷キャンパス2号館国際会議場において、UDトラックス株式会社シニアバイスプレジデントのイルバ・シェール(Ylva Schéle)さんによる教職員向けFD・SD講演会が開催されました。UDトラックス(本社:埼玉県上尾市)は、スウェーデンの多国籍企業ボルボ・グループの傘下にあり、8,000人を超えるスタッフを擁し、年間2万台のトラックやバスなどの大型車を生産する自動車メーカーです。同社は、本学と学生のインターンシップ受入等で連携しています。

スウェーデン出身のシェールさんは、同社で一貫して人事関係の要職を歴任。2017年10月より本学の国際アドバイザリーボードメンバーも務めています。当日は「ボルボ・グループ - UDトラックスの成長へのマインドセット」と題し、多様性に富む社員の採用や育成に関わりながら組織の成長にどのように取り組んでいるかについてお話いただきました。

来日して4年になるシェールさんは冒頭、「自分は変化が大好きな人間。変化の渦中では苦しいこともあるが、その分成長できる魅力があり、そのような経験を重ねながら会社を楽しい場所にすることに貢献できる人事という仕事に大いなる魅力を感じている」と力強く話しました。そして、働きたいと思う職場を創るために重要な要素として、「Culture」「Engagement」「Value」の3つを挙げ、特にリーダーシップの育成においては、会社が社会に貢献しているValue(価値)に対する意識、理解が重要なベースとなると話しました。

続いて、直近の人事戦略において、UDトラックス社が実施している社員採用や育成サイクルの概要を説明しながら、育成するリーダー像として、研修だけでなくロールモデルとしてリードできること等を挙げ、また適当な答えを作らず、細部を重視していくことが社員同士の長期的な信頼関係につながると述べました。

さらに、同社は物流業界では非常に高い女性社員率19.4%(女性管理職は10.3%)、社員の国籍は21か国に及んでいることに言及し、多国籍のスタッフが働く同社では、多様性によって自分が知らないこと、気づかないことを教わるチャンスが多くあるという文化が醸成されており、人事として多様なスタイルで学ぶ機会を創出できるよう工夫している点を紹介しました。

また、人材育成において重要となる評価についても触れ、業績とともに潜在的な能力や将来性にも目を向けながら、「志」を育成していくことや、フォローアップの重要性、さらに評価においては、公平性が最も重要であることを説明するとともに、リーダーには自分で自分のキャリアを作っていくことを促すことが大切であると話しました。

グローバル化推進担当理事主催、また教職員のFD、SDの一環として開催された本講演会には約50名が参加。シェールさんのお話には一貫して社会基盤を支える物流という仕事へのプライドとともに働く仲間への愛情が垣間見えました。また、仕事と生活の関係を肯定的に捉え、終始和やかにお話するシェールさんのお話に多くの参加者が引き込まれ、自分自身の業務への姿勢を振り返る貴重な機会となりました。

上智大学 Sophia University