違いを尊重し、共に生きる。オランダで深めた多文化共生への理解

■名前:金 昭廷
■学部学科・学年(留学当時):外国語学部英語学科3年
■留学時期:2025年8月~2026年1月
■留学先(国・大学):オランダ・ライデン大学
■留学形態:交換留学

上智大学では毎年多くの学生が日本を飛び出して世界各国に留学しています。言語、文化、生活習慣の違いを乗り越えた先に見えたものとは。留学した学生たちの声を集めました。

留学に行こうと考えたきっかけは何ですか。

英語学科や教職課程での学びを通じて、多文化共生や子どもの権利、人権教育への関心を深めました。異なる背景を持つ人々が尊重し合い共生する社会のあり方をさらに学びたいと考え、多文化共生に関する先進的な政策や教育実践が展開されている国への留学を決意しました。

留学先(国・大学)はどのように選びましたか。

子どもの権利や国際人権法の研究が盛んなライデン大学で学びたいと考えたことが大きな理由です。オランダは多文化共生に関するさまざまな取り組みが進められている一方で、移民や社会統合をめぐる課題を抱えています。そのような現実も含めて、制度だけでなく、人々が日常の中で多様性と向き合う姿勢を学びたいと思い、選択しました。

留学前に不安に感じていたことはありますか?

留学前は、住居不足の問題があったため、無事に寮を確保できるかという不安がありました。また、移民局や大学での事務手続きも、すべて英語で確認や対応を行う必要があり、滞りなく進められるか心配していました。しかし、早めに情報収集を行い、分からないことは大学の担当者に確認や相談をすることで、適切に準備をすることができました。

留学のために準備したこと、また、しておけばよかったと思うことはなんですか。

留学経験者のレポートやブログを参考に、交通制度や学生向けサービス、緊急時の対応など現地生活に必要な情報を事前に収集しました。また、オランダ語の基本的な挨拶も学び、現地での生活にスムーズに馴染めるよう準備しました。

大学や学生の雰囲気はどのようなものでしたか。

キャンパスは街全体に点在しており、歴史ある美しい建築と豊かな自然が調和した魅力的な環境でした。大学には、多様な国や文化的背景を持ち、さまざまな関心や情熱を抱く学生が集まっていました。互いの違いを自然に尊重する雰囲気があり、対話を通じて真摯に向き合う姿勢が印象的でした。

どのように交友関係を広げていきましたか。

友だちとPotluck Party で互いの母国の料理を楽しむ

寮のウェルカムイベントや大学のオリエンテーションをきっかけに交流を広げました。特に寮の友人とは食事会や旅行をする仲になり、今でも連絡を取り合っています。また、学生団体のイベントや講義のグループワーク、ワークショップにも参加し、さまざまな国の学生や現地学生と交流しました。

授業の様子、学習内容、試験などは日本と比較して違いがありましたか。

講義形式自体は日本と大きく変わりませんでしたが、事前に予習すべき文献が多かった点と、学生が授業中に積極的に質問や意見を述べ、対話を通じて学びを深める姿勢が印象的でした。試験は、指定された日時に体育館で大学から配布されたパソコンを使用して受験する形式で、日本とは異なる運営方法に驚きました。

学業以外でもっとも力を入れたことは何ですか。

オランダ各地を訪れ、自然や歴史、文化に触れることに注力しました。博物館や美術館、歴史的建造物を巡るほか、古本屋やアンティークショップ、蚤の市など人々の日常にも触れ、教室だけでは得られない学びを深めることができました。

留学先ならではの魅力や、新たに気づいた点は何ですか。

オランダは都市ごとに異なる景観や文化があり、訪れるたびに新たな発見がありました。国土の多くが低地であるオランダでは、水と共生してきた歴史があり、風車や干拓地など、自然環境に適応するための工夫を実際に見ることができました。また、豊かな自然や整備された自転車道を通じて、人々の生活と自然が調和した社会のあり方を感じました。

最も印象に残っている出来事や、衝撃を受けたことは何ですか。

留学生活を始めて間もなく、自転車文化の違いに驚いたことが印象に残っています。オランダでは自転車が主要な交通手段であり、ペダルを後ろに踏むことでブレーキがかかる仕組みや、手信号、右側通行など日本とは異なるルールがありました。安全に利用するためには、現地の文化や習慣を理解することが大切だと実感しました。

留学中のトラブル、大変だった事は何ですか?また、どのように乗り越えましたか。

留学中、交通カードを手配する際に、正規の会社ではなく別の業者に申請してしまい、不要な手数料を支払ってしまったことがあります。この経験から、情報を慎重に確認すること、自分の英語力を過信せず不確実な場合は周囲に相談することの大切さを学びました。また、お金に関わる判断は急いで行わず、冷静に考えることを意識するようになりました。

留学の前後で比較して、成長できたと実感する点や意識が変わった点はどこですか。

Leidenの広場にて、正月に打ち上げられた花火と共に

留学を通して、未知の環境でも自ら人と関わることを恐れず、周囲と協力しながら課題を乗り越える姿勢を身につけました。以前は困難に直面すると自分一人で何とかしようとすることが多くありましたが、時には積極的に周囲へ相談することで、新たな視点や解決策を得られると実感しました。また、自分も誰かの力になれる場面があり、一方的に頼るのではなく、互いに支え合うことの大切さを学びました。

留学経験は今後の人生にどう影響しそうですか。

留学経験は、異なる背景を持つ人々とどのように関わり、共に生きていくのかを考える大きな土台になりました。多様な価値観を持つ人々との交流を通じて、対話や関係性の中で共生を築くことの大切さを学びました。今後はこの経験を教育や言葉に関わる分野で生かし、誰もが安心して過ごせる環境づくりに貢献したいです。

留学に行こうか迷っている人に一言

私自身、金銭面や学業、就職活動との兼ね合いの不安から、応募締切直前まで留学を迷っていました。しかし、学生という立場で海外で挑戦できる機会は限られていると考え、思い切って決断した結果、人生で最も豊かな時間を過ごし、かけがえのない友人たちと出会うことができました。留学を検討している皆さん、ぜひ勇気を持って一歩踏み出してみてください。きっと道は開けます。心から応援しています。

上智大学 Sophia University