聴覚障害がありながらも挑戦したカナダ留学は、積極性と自信を与えてくれた

■名前:城谷早生
■学部学科:総合グローバル学部総合グローバル学科・4年
■留学時期:2023年7月31日~8月19日
■留学先(国・大学):カナダ・ビクトリア大学
■留学形態:短期留学

上智大学では毎年多くの学生が日本を飛び出して世界各国に留学しています。言語、文化、生活習慣の違いを乗り越えた先に見えたものとは。留学した学生たちの声を集めました。

-カナダに留学に行こうと思ったきっかけは何ですか。

元々交換留学を希望していましたが、コロナの影響や卒業も近づいていたため、半ば諦めていました。その頃たまたま友人と話していた際に、短期研修留学があることを知りました。交換留学ほど準備が必要ではなく、かつ夏休みの期間に行けるという点に魅力を感じすぐに応募しました。

-留学先(国・大学)はどのように選びましたか。

カナダに一度行ってみたかったことと、語学を勉強するのではなく英語でビジネスの勉強ができる点が決め手でした。そのため語学留学ではなく研修留学に絞って検討し、最終的に行きたかった国であるカナダのビクトリア大学に決定しました。

-留学前に不安に感じていたことはありますか。

 一番不安だった点は、自分の聴覚障害について周囲の理解を得られるかどうかでした。事前に大学の留学センターの方にも伝えてあり、大学では教授に対しても説明をすることができました。結果快適に授業を受けることができ、英語で自分の障害について初対面の相手に説明ができたという自信もつきました。

-留学のために準備したことはありますか。

特段準備はしていませんでした。留学前に大学から留学ガイダンスが3回開講されたため、事前に参加者と交流もでき安心して留学に臨むことができました。ガイダンスの中では、留学を体験された先生からプレゼンの技法や、質問を積極的にするといったことを教わり、実際に留学先でも積極的に参加することができました。

-学や学生の雰囲気はどのようなものでしたか。

ビクトリアにあるブッチャートガーデンへ訪れた時の写真です。夜には花火が打ち上げられ、野原に寝転んでゆったりと鑑賞できたことが思い出です。

留学先の大学は夏休み期間だったため、普段の学生はおらずプログラムに参加している学生のみでした。プログラムの全体参加者は40人程度で、6割が日本人、3割がイギリス人、残りは中国、韓国、メキシコなど様々な国の学生と共に学ぶことができました。

-授業の様子、学習内容、試験などは日本と比較して違いがありましたか。

一番の違いは、生徒も一緒に授業を進めるという展開でした。先生から質問が投げかけられると、すぐに誰かが答えたり、グループワークは毎日のようにありました。最初は挙手を恐る恐るしていた私も、周囲の生徒の積極性に流されてどんどん発言するようになりました。学習内容は、プログラムの構成上基本的なビジネス知識といった程度でした。

-どのように交友関係を広げていきましたか。

ルームシェアをしていたイギリス人の友達です。彼女から英語を教わったり、共同生活を通して価値観の違いを学びました。

最初はみんな自分と同じ国の人と仲良くなる段階からでした。プログラムの中に組み込まれていたパーティーやイベントを通して徐々に仲良くなりました。授業で同じグループで勉強しているとグループワークの機会も多くなり、最後のフェアウェルパーティーでは全員が別れを惜しんでいました。

-留学先ならではの魅力や、新たに気付いた点は何ですか。

東京の国際性を再認識しました。自国のことだとあまり実感しませんでしたが、カナダの都市部は大きいとはいえ、東京と比べると全く違うのどかな雰囲気でした。東京で過ごすということは、それだけでも留学に近いものだと田舎の出身の自分からすると実感しました。

-最も印象に残っている出来事や、衝撃を受けたことは何ですか。

ルームメイトとの価値観の違いに衝撃を受けました。留学中は大学内にある寮で生活を行い、私はイギリス人の生徒とバスルームを共用していました。彼女はシャワー後も土足で歩くところを裸足でうろうろすることに対して、衝撃を覚えました。日本人の学生同士では経験できない出来事だったので、今振り返ると良いチャンスだったと思っています。

-留学中のトラブルや、大変だった事はありますか。

プログラム参加者のイギリス英語が全く聞き取ることができなかった点です。私のグループの中に40代の女性の参加者の方がいらっしゃり、何歳でも自分のやりたいことにチャレンジしている姿が印象的でした。彼女の英語も全く聞き取ることができなかったため、紙に書いてもらうなどして意思疎通を図りました。最終的には、グループでプレゼンを完成させることができました。

-留学の前後で比較して、成長できたと実感する点や意識が変わった点はどこですか。

大学の近くにある山へハイキングに行った時の写真です。山の表面が草ではなく岩だったことや、景色が日本と違ったことが印象的でした。

最も成長を実感できた点として、周囲の目を良い意味であまり気にしなくなりました。些細な点で言うと、授業の中での発言や新しい人に話しかける場面で積極的になったと思います。たとえ失敗しても、「あの時こうしとけばよかった」と後悔するよりは良いと割り切ることができるようになりました。そして、何より留学を終えて、自分に自信がつきました。英語で授業を受けることができた点や、プレゼンができた点、海外で一人で行動できたという出来事が積み重なった結果だと考えています。今後の人生でも、自分には分不相応だと思わずにチャレンジしてみたいと思っています。

-留学に行こうか迷っている人に一言

留学ではかけがえのない友人たちに出会うことができ、日本以外の帰る場所ができました。4年生から留学に行く人はあまり多くないかもしれませんが、単位数を気にせず好きな授業を取れることや、これまでに学んだ科目の知識や大学生活での経験を活かせることなど利点は多々あると思います!学年や学部学科を気にせず挑戦してみてください!!

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