民族の誇りと国を背負う気概を持つ学生たちに圧倒されたミャンマーでの日々
上智大学では毎年多くの学生が日本を飛び出して世界各国に留学しています。言語、文化、生活習慣の違いを乗り越えた先に見えたものとは。留学した学生たちの声を集めました。
市場を人々が行き交う鮮やかな日常を体感する一方、社会の根底からの変革を目の当たりにした10日間だった。各公的機関で国の全体像や歴史、政策を多角的に学びつつ、国立と私立、都市と地方、僧院学校やイエズス会の学校など多様な教育機関で、小学生から大学院レベルの学生達と交流した。
そこで最も印象的だったのは人々の学習への熱心さだ。教育への投資の価値を個人個人が認め、前のめりに教育機会をつかもうとする姿勢に圧倒された。日本で望めば手に入る機会を持て余す自分を振り返り、恵まれてはいるが学生として彼らのはるか後ろを走る感覚に襲われた。
JICAが関わる初等教育の教科書改定の現場も印象深かった。未来の全国民の当たり前を創りうる作業が、日本の協力体制のもとで行われている背景は興味深く、同時に今しか見られない場に立ち会えたことで今後もミャンマーを自分なりに追い続けたいと思う刺激になった。
今回が初回で時に手探りだったからこそ、現地で人々とより真剣に向き合えた場面も多かったと思う。出身民族の文化や国の発展を背負って学ぶ、議論を共にした学生達の姿は、滞った日本社会に疑問を投げかける自身の視点ともなる、そんな貴重な経験を得た。