安藤 慎さん 理工学研究科 理工学専攻生物科学領域
留学、課外活動、サークル、ボランティア、インターンシップ。夢をかなえるため、そして自分を成長させるため。大学でさまざまなことに挑戦した学生たちが語る入学から現在までの変化と成長を紐解きます。
5歳の時に母が治療薬のない難病と診断され、医薬品の研究者になろうと決めました。現在の医療では治せない病気に取り組むには、新しい視点を取り入れる必要があると考えていたため、高校1年の時に生物物理学と核酸医薬品の2つの最先端の研究分野に興味を持ちました。それらを融合した研究を行っているのが日本で上智大学理工学部だけだと知り、進学を決意。また、複数の分野を学んだ後に専門を絞る大学が多い中、幅広い学びを継続できる点も魅力でした。
大きな目標を達成するために、中くらいの目標や小さな目標と、今何をするべきか逆算しながら行動してきました。専門書もたくさん読みましたし、高校1年の頃から自ら調べて大学のセミナーや勉強会に参加し、学びを深めました。もともと知的好奇心は強かったです。子どもの頃から「なぜ?」と聞くと、「なぜだと思う?」と問い返してくれた母との対話で、探究する姿勢が培われたのだと感じています。
全学共通科目の「日本辞書の歴史」です。辞書の語釈には時代背景が如実に反映されていて、それを通して歴史を見るというテーマの授業でした。ひとつの言葉を昔から現在までの辞書で調べ、その意味の変遷を歴史的な背景と結びつけていく、点と点を線にし、線を面にするような授業内容で、視野を広げることができました。物事の筋道を明らかにする、学問における“問う”作業は、大学ならではの学びだと思っています。
目標を持ちつつも、視野が狭くならないように気をつけていたので、化学系や生物系など様々な研究室の先生に話をうかがいました。そんな中、博士後期課程へ進みたい人向けに早期卒業制度があることを知ったのです。それが1年次の夏頃で、意識し始めたのはそこからです。目標があるので、毎日高いモチベーションで学業に打ち込むことができました。ただし3年次は早期卒業に向けて、授業や実験、研究を並行する必要があって大変でしたね。
核酸医薬品というものを生物物理学的に研究しています。DNAやDNAに似た分子を総称して核酸といい、核酸医薬品はそれでできた医薬品のことです。また、生物学の研究対象に対し、物理学的にアプローチするのが生物物理学であり、僕はその中でも分子の立体的な形を解析する研究を行っています。 形に基づいて薬を設計すると、難病にも有効な新しいタイプの薬が合理的に作れると考えられているため、核酸の形を調べる基礎研究と、その知見を使って核酸医薬品を設計する応用研究の両方に取り組んでいます。
学部生の頃と違い、大学院では研究がメインです。僕の場合は自由度が高い研究のため、自分で計画を立てて進めています。早期卒業したことで、同級生とも、ひとつ上の学年の方とも交流できるメリットに気づけました。将来について現段階では、アカデミアの研究者としてキャリアを積んでいければと考えています。この環境は、学問ができたり、自由があったりというだけでなく、物事を極めた先生に会えるのも大きな魅力です。圧倒的な知識と経験を持つ存在が身近にいることで、努力を怠ってはいけない、もっと向上したいという気持ちが湧き、人間的な成長にもつながるのだと思っています。
大学院は研究に打ち込める場所です。これまでに学んだことをベースにして、自ら新しいことを求め、開拓していくという楽しさがあります。いろいろな好奇心を持ち続け、どんどんチャレンジしてほしいと思います。
初めての学会発表
2024年は核酸化学の国際学会をはじめとする、いろいろな学会に初めて参加しました。学会発表は、世界中の研究者、時には著名な研究者とも議論ができる貴重な機会。今後の研究方針を考えるためにもとても有意義ですし、純粋に楽しいです! 写真は、「日本結晶学会」に参加した時のものです。そこでは口頭発表とポスター発表をして、賞も受賞できました。
※この記事の内容は、2024年10月時点のものです。
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5歳で描いた夢が、創薬の未来を切り拓く。