理工学専攻情報学領域

「情報」を核に分野の垣根を越えた研究環境

PCや携帯電話などのコミュニケーション手段が普及し、これらがネットワークを介してつながることで、文字、画像、音声、動画などの多様な形態の大量な情報を瞬時に、かつ簡単に蓄積、送受、伝達、処理できる社会になりました。このような変化の中で企業も人も、膨大な情報の中から必要なものを見つけ、目的に応じて利用できる形に加工し活用することで、新たな価値を生み出してきました。そこには、多くの知識、知恵、経験が含まれています。より人間に優しく、誰もが安心して利用できる情報社会を実現するためには、人のコミュニケーション活動をもっと分析し理解するとともに、情報学を情報の蓄積、送受、伝達、処理だけではなく、人や社会の知識、知恵、経験を顕在化し、それらを有機的に組み合わせて人や社会の活動をサポートするものとしてさらに発展させることが求められています。

情報学領域では、情報学の基礎と応用の素養を持ち、ますます複雑化、高度化する人間─情報系の機構の解明やシステムの開発に対応できる広い見識と知性を備えた「“情報”を通して人間と社会を深く理解した、創造力豊かな人材」の育成を目指しています。

カリキュラムの特徴

教員には人間情報、社会情報、電子情報の3つの系の専門家が揃っており、博士前期課程では高度な情報化社会に対応できる高度専門職業人を、博士後期課程では優れた研究者を養成します。文系分野からの進学も可能です。

授与学位

  • 博士前期課程:修士(工学)
  • 博士後期課程:博士(工学)

取得可能な教員免許・免許教科

  • 中学校専修(数学/理科)
  • 高等学校専修(数学/理科/工業/情報)

※教員免許が取得できる専攻は、博士前期課程に限ります。また、1種免許状を取得済、あるいは1種免許状取得要件を満たしている教科のみ取得可能で、必ずしも全教科取得できるわけではありません。

情報学領域の特色

研究テーマの多様性

人間情報系、社会情報系、電子情報系の多様なテーマがあります。これらには系で培ってきたテーマばかりでなく、学内の他学部・他学科の研究領域との交流、学外のプロジェクトとの交流、企業との共同研究を通して新しい視点と技術を取り込んで展開されたテーマがあります。

研究指導の充実

大学院生は、先端的な研究テーマを教員のきめ細かな指導のもとで推進します。その中で、可能な限り自立して研究開発ができるように教育を受けます。その成果を学会誌論文・国際会議等に発表できるよう充実した研究指導を行います。

修了生の最近の主な研究テーマ

  • 外国語音声の生成と知覚における母語の影響 ─ 音響音声学的な立場から─
  • サプライチェインの中核を担う最先端物流センターの最適化に関する実践的研究
  • モバイル動画ストリーミングにおけるユーザの体感品質向上手法
  • 情報システムの開発を効率化するための方法論とその支援環境の研究
  • 垂直軸回りのプロジェクションを用いた3次元画像モデルの部分検索
  • 視線情報を活用した画像認識アルゴリズムの開発
  • 光超音波を用いたヒト組織内変位と粘弾性率分布イメージング
  • 進化的アルゴリズムによるウェブページ上の広告最適化
  • 食品トレーサビリティにおけるハザードを考慮した原材料分散最小化
  • 自然言語処理を用いたカテゴリー分類における比較検討
  • セルフイメージの脳ネットワーク構造
  • 視覚復号型秘密分散法の応用に関する研究

教育の方針

博士前期課程

本領域では、情報学および関連分野の発展に寄与し、専門知識を用いて人間社会の発展や地球環境の保全に貢献できる人材の養成を目的に、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。修了要件を満たし論文審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. 自分の専門分野以外の自然科学分野あるいは社会科学分野との学際分野も含め広範に学ぶことにより、技術が人間社会や地球環境に与える影響などを多面的にとらえる力
  2. 情報学および関連分野において最先端で活躍できる専門知識を身につけるとともに、新技術の開発や新分野の開拓をできる力
  3. グローバル化の進展に対応するため、社会で活躍できるレベルの英語力
  4. 専門分野に関する研究内容について、その研究成果を学術論文としてまとめる力

博士後期課程

本領域では、情報学における高度な専門性を身につけ、人間社会や地球環境に与える影響を総合的にとらえる学際性を持ち、自立して研究開発を遂行できる人材の養成を目的に、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。修了要件を満たし論文審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. 自分の専門分野だけでなく、関連する学際分野なども含め広範に学ぶことにより、技術が人間社会や地球環境に与える影響を多面的にとらえる力
  2. 情報学および関連分野において最先端で自立的に活躍できる専門知識を身につけるとともに、人類の発展や幸福に寄与する創造的な研究開発を行う力
  3. グローバル化の進展の先頭に立ち、国際社会にて独立して活躍できるレベルの英語力
  4. 専門分野に関する高度な研究内容について、その研究成果を広く発信し、学術的価値の高い学術論文としてまとめる力

博士前期課程

情報学および関連分野の発展に寄与し、人間社会の発展や地球環境の保全に貢献できる力を涵養するため、情報学領域や他領域の科目を受講し、研究指導を受けさせる。

 

  1. 情報学領域以外の領域、および理工共通領域の科目を受講することにより、自分の専門領域以外の分野について広く知識を得させる。
  2. 情報学領域が提供する科目を受講し、これらについて専門知識を得させる。また、特定のテーマについて研究を行い、このテーマと周辺について深い専門知識を得るとともに、研究の進め方、まとめ方、研究倫理などを学ばせる。
  3. 科学技術英語や英語で行われる科目の受講、研究成果の英語発表、英語論文の執筆などにより、英語力を向上させる。

博士後期課程

情報学における高度な専門性と関連分野の広範な知識を有し、自立して研究開発を遂行できる力を涵養するため、演習を受講し研究指導を受けさせる。

 

  1. 自分の専門分野以外の学際分野などの学術論文や解説書などを精読することにより、これらの分野について広く知識を得させる。
  2. 自分の専門分野において教員の研究指導を受けながら集中して研究を遂行し、このテーマと周辺について深い専門知識を得るとともに、研究の進め方、まとめ方、研究倫理などを学び、研究の集大成として博士論文を提出させる。
  3.  得られた研究成果を国内外にて英語で発表し、また英語論文を執筆投稿し、必要に応じて海外の研究機関にて研究を行い、これらにより英語力を積極的に向上させる。

博士前期課程

本領域は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. 情報学分野で勉学を行い、研究を遂行することに意欲的である学生
  2. 情報学分野で勉学を行い、研究を遂行するために必要な情報学、数学などに関する基礎学力を有している学生

博士後期課程

本領域は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. 情報学分野において自立して創造的な研究開発を遂行することに意欲的である学生
  2. 情報学分野において自立して創造的な研究開発を遂行するために必要な専門知識と英語力を有している学生

教員一覧

荒井 隆行 教授

Gonsalves TAD 教授

高岡 詠子 教授

田中 昌司 教授

田村 恭久 教授

萬代 雅希 教授

川端 亮 准教授

炭 親良 准教授

宮本 裕一郎 准教授

矢入 郁子 准教授

山下 遥 准教授

山中 高夫 准教授

亀田 裕介 助教

上智大学 Sophia University