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ニュース 理工学部物質生命理工学科の鈴木伸洋准教授が2年連続で高い影響力を持つ研究者の1人に選ばれました

理工学部物質生命理工学科の鈴木伸洋准教授が2年連続で高い影響力を持つ研究者の1人に選ばれました

 世界中で引用された論文が多い科学者を調べるクラリベイト・アナリティクス社の2020年版Highly Cited Researchers(高被引用論文著者)リストが公開され、2019年に引き続き2年連続で上智大学理工学部物質生命理工学科の鈴木伸洋准教授が選出されました。

 このリストは同社の学術文献データベースWeb of Scienceをもとに世界のすべての論文のうち引用された回数が上位1%に入る論文を発表した著者を、高い影響力を持つ研究者として選出したものです。

Q 選ばれた論文はどのような内容でしょうか。どの点が評価されたのでしょうか。

 植物が乾燥や塩害、熱など環境ストレスにさらされた際に増加する活性酸素は長年、細胞にダメージを与える悪者として注目され、研究が進められてきました。しかし近年、植物で働く様々なメカニズムを制御するために、この活性酸素が重要な役割を果たすこともわかってきています。今回評価された論文は、環境ストレス条件下ではこの活性酸素の量を適切にコントロールすることが植物にとって重要なことや、活性酸素がどのようにして生成され、植物の重要なプロセスを制御しているのかについて提案したものです。

 自然界では植物が乾燥や塩害などの環境ストレスを受けた場合、余分に作られた活性酸素を除去してダメージを軽減することも重要ですが、ストレスに対して自分の身を守るメカニズムを活性化させるためにも活性酸素は重要であることが近年の研究でわかってきました。私たち人間のように悪い環境から逃げられない植物は、活性酸素をコントロールして環境変化に適応する非常に複雑なメカニズムを発達させてきたといえます。

Q 今後どのような研究展開を考えていますでしょうか。

 環境ストレスに対する植物の耐性向上に関わる活性酸素制御のメカニズムが解明できれば、それを利用してストレスに強い作物の育成が可能になると考えています。これからは、実験室レベルの基礎研究から得られた知見を活かして、実際の農業に役立つ研究も進めていきたいです。活性酸素の制御に関わる重要な遺伝子がわかれば、その遺伝子に注目した品種改良も可能になります。また、活性酸素制御機構に作用する植物体内の代謝産物を肥料のように利用することで、植物を環境ストレスに強くすることもできると考えています。

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