上智大学キリシタン文庫 貴重資料展を開催しました

12月7日~8日の2日間、上智大学カトリック・イエズス会センターにて、特別展「上智大学キリシタン文庫 貴重資料展」を開催しました。

1939年にヨハネス・ラウレス神父(本学名誉教授)によって創設されたキリシタン文庫は、国内外のキリシタン・キリスト教関係資料の収集・研究・公開を通じて、日本のキリシタン研究を牽引してきました。所蔵資料は15,000点以上にのぼり、そのうち約2,500点が貴重資料として位置づけられています。一方で閉架書庫での保管が中心であるため、原本を一般に公開する機会は限られてきました。

今回の特別展では、キリシタン文庫を象徴するキリシタン版(※)をはじめ、初公開資料を含む貴重資料30点を一挙に展示しました。展示資料には、世界に数冊しか現存しないキリシタン版『ぎやどぺかどる』、日本初の二色刷かつ楽譜付きの儀式書として知られる『サカラメンタ提要』の原本、戦国大名・大友宗麟、黒田官兵衛、高山右近の書状、天正遣欧使節の教皇謁見を記念して鋳造されたメダル、ヨーロッパの市販地図に描かれた単独の日本地図として最古とされる『日本諸島図』など、学術的価値の高い一次資料が一堂に会しました。

(※)キリシタン版:16世紀末から17世紀初頭にかけてイエズス会宣教師らが出版した活字印刷の書物。

資料解説を行う川村教授(右)

会場では、資料の成立背景や特徴を紹介するキャプションを添えて展示し、専門的な内容も分かりやすく解説。キリシタン文庫所長の川村信三教授(文学部史学科)や文庫所員も来場者の質問に応じながら資料解説を行いました。2日間の限定公開にもかかわらず、200人以上に及んだ来場者は、活字や紙質、装丁の細部まで熱心に鑑賞していました。

展示の準備にあたったキリシタン文庫所員の竹山瞬太さん(大学院史学専攻修了・博士)は、「展示配置の検討や見やすい角度の調整、そして貴重資料を扱う作業は緊張の連続でしたが、キリシタン文庫にこれほど多くの重要資料が所蔵されていることを知っていただける機会になれば嬉しいです」と語りました。

また、川村所長は「国内外の研究者への閲覧提供や、博物館・美術館への貸出は行ってきましたが、文庫主催の展示企画は今回が初めてです。キリシタン文庫は、日本のキリスト教宣教史や日欧文化交流の研究を進め、その成果を広く社会に発信することを目的に設立された機関です。日本にキリスト教をもたらしたイエズス会が設立した上智大学において、その存在意義を体現する重要な役割を担っているともいえます。今後もこうした機会を継続的に設けていきたいと考えています」と振り返りました。

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