11月5日から24日まで、上智大学の多様な研究活動を学内外に発信することを目的とした「Sophia Open Research Weeks 2025」が開催されました。本企画は本学研究機構の主催により、研究機構下の研究所・研究センターの他、附置研究機関、学内の研究プロジェクトなどから、合計22の企画が実施されました。対面やZoom等の参加型企画で合計1,800名以上の参加があり、配信型企画でも600回近くの視聴がありました。
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『Sophia100人論文』
大学院生から教員まで、幅広い分野の研究者71名が参加し、それぞれの研究ポスターを展示しました。「100人論文」は、1枚の画像と3つの項目(「私の研究はこんな感じ」、「こんなこと知りたい、話し合いたい、教えてほしい」「このことなら私に聞いて」)で構成されたポスターに、来場者がポストイットやシールでコメントや反応を行うことで、分野を超えた研究交流と連携を促進する取り組みです。
この企画は京都大学で始まり、現在では、全国の様々な大学で実施されています。本学では今回で2回目の開催で、昨年よりも会場を拡大し、6号館の1階に加え3階のフロアでも展示を行いました。会期中は多くの来場者が足を止め、ポスターに見入る姿が見られました。今年は新たにオンラインサイトも立ち上げ、Web上での交流も促進したほか、ポスター参加者同士の交流会も対面で実施しました。文理を横断する本学の幅広い研究分野を発信し、学際研究を積極的に推進する場として、徐々に規模を拡大しています。
『Sophiaの森を歩く:研究機構若手研究者による研究紹介』
上智大学研究機構下の研究所に所属する若手研究者(特別研究員、研究補助員)による発表企画で、今回で3回目の開催です。一般の方や他分野の研究者にも分かりやすく、各自の研究分野を2日間に分けて紹介しました。登壇者によるディスカッションでは、会場からの質問はもちろん、登壇者同士の質問も多く交わされ、登壇者にとっても、学内の他分野の研究への興味を深める機会となりました。
このほか、国際言語情報研究所による企画『現代言語学と否定辞の諸問題』やイスラーム地域研究所の動画配信企画『ムスリムにみるつながりの風景』などでも特別研究員、研究補助員がスピーカーを務めました。また、理工学研究科生物科学領域の『大学院1年生の研究中間発表会』では大学院生によるポスター発表が行われるなど、『Sophia100人論文』も含め、Sophia Open Research Weeksは、若手研究者の学内外への研究発表の場としても発展し続けています。
附置研究所による企画
2022年度からは研究機構に限らず、本学の附置研究所も企画を実施しています。その一例として、多文化共生社会研究所では『デフアスリートが語るメンタルパフォーマンスの重要性と困難を乗り越える力』と題し、今年、東京で初開催されたデフリンピックのUSAメンタル・パフォーマンスコーチを務めるスキップ・フラガナン博士を迎えた講演会を、米国大使館の協力の下で実施しました。
会場では日英同時通訳に加え、日英手話通訳も行われ、多様な参加者との共生の様子が感じられる場となりました。参加学生からは「今まで体験したことのない空間で話を聴くことができ、非常に貴重な時間を過ごすことができた」との感想が寄せられました。博士の自身の経験を交えた、日常生活で心の回復力(レジリエンス)を高めるための話は、高校生から一般の方まで幅広い参加者から、自身に置き換えて生き方のヒントを得られたといったコメントが多く寄せられ、研究所の活動目的である「多文化共生社会の実現」に向けた発信の場となりました。
高校生・一般参加者の反応
会期全体を通して複数企画で高校生が参加し、積極的に質問する姿が見られました。アンケートでは、「様々な研究分野に触れることができた」、「興味、関心を広げることができた」といったコメントが寄せられ、オンライン企画では関東以外からの参加もあり、遠方からでも、上智大学の学びと研究に触れられる機会として、充実した時間を過ごしていた様子が伺えました。
一般参加者からも、「社会に開かれた大学のイメージを持つことができた」「さまざまな基本的な問題・課題を取り上げておりソフィアらしい企画だった」など、満足の声が毎年多く寄せられています。
Sophia Open Research Weeksは、これからも上智大学の研究を学内外に発信し、その成果を広く社会へ還元していくオープンな場として、継続していきます。