11月21日、一般社団法人日本マテリアルフロー研究センター(JMFI)が主催した International Material Flow Competition(IMFC)2025 において、大学院地球環境学研究科のチームが最優秀賞を受賞しました。同チームが提示した日本の電子商取引分野に特化した再使用可能包装システムの構築が高く評価されました。
国際マテリアルフロー・コンペティション(IMFC)について
国際マテリアルフロー・コンペティション(IMFC)は2024年創設の国際大会で、世界各国の学生チームが物流・サプライチェーンの革新的な解決策を競います。若手イノベーター支援とマテリアルフローの重要性に対する啓発を目的としています。
創設初年度の成果を踏まえ、2025年大会では産官学の連携がさらに強化されました。本年度のテーマには、AIやIoTを活用したマテリアルフロー、電子商取引の効率化、物流のデジタルトランスフォーメーション(DX)、地球温暖化や環境問題への対応、先端物流技術など、これらを含む幅広いテーマが取り上げられました。
「日本の電子商取引向け再使用可能包装」で最優秀賞を受賞
Sara Roehrigさん、Chloé Rose Danielle Christinさん、Giulia Marcarinoさん、そして Mochoge Marlen Kwambokaさんの4人からなる本学地球環境学研究科チームは、同研究科のエンクウェアウセ・レジナルド・ロングフォー助教の指導のもと、「Reusable Packaging in Japanese E-Commerce(日本の電子商取引用再使用可能包装)」というプロジェクトで最優秀賞を受賞しました。
この提案は、日本の電子商取引エコシステムに特化した全国規模の再使用可能包装システムを示すものであり、以下の取組みにより包装関連の排出量と廃棄物の削減を目指すというものです。
- 複数回使用を前提とした耐久性の高い再使用可能包装
- 返却およびライフサイクル管理を行う QRベースの追跡
- ルーティングとターンアラウンドを最適化する AI 支援型物流
- 返却を簡単かつ身近にする、日本のコンビニエンスストアおよび郵便ネットワークの活用
日常的に利用されている既存インフラを活かすことで、消費者にとって持続可能な選択を容易にし、小売事業者にとっても費用対効果の高い仕組みを実現することを目指した提案が高く評価されました。また、さらに産業界のパートナーからは提案の実装可能性への関心が示されました。
今後の展望
IMFCは単なるアワードの主催に限らず、産学連携のプラットフォームとして機能し、学生と主要な物流企業をつなぐ役割を果たしている国際コンペティションです。実社会にインパクトをもたらす革新的なアイデアを発信する場としても注目されています。