4月22日午後7時5分から、上智大学国際会議場において、山田 賢司氏 (自民党副幹事長・元外務副大臣・衆議院議員および日本パレスチナ友好議員連盟事務局長)を講師にお招きした「人間の安全保障と平和構築」連続セミナーの1回目が開催されました。この連続セミナーは、本学グローバル教育センターの東 大作教授が、2016年に上智に移籍してから毎年実施しているものです。
冒頭、上智学院総務担当理事の大塚 寿郎教授と、グローバル推進担当副学長の飯島 真里子教授が挨拶を行い、本連続セミナーの意義と、山田氏への謝意が述べられました。
その後、山田氏が、「『人間の安全保障』と『平和構築』に向けた我が国の取り組み」というタイトルで約1時間、講演を行いました。

山田氏は、エネルギーや食料の確保、感染症対策、気候変動などを例に挙げ、世界の平和と繁栄が、日本の平和と繁栄に繋がっていることや、国際社会は主権国家の集まりであり、唯一絶対の正義はない中で、多くの国々から信頼を得ていることは邦人保護や国際ルール形成の場面においてとても重要な意味を持っていることを外務政務官や外務副大臣を務めた経験も踏まえながら、地元でも国会でも訴え続けていることを力説されました。
そして世界全体で戦争が勃発するこの現代において、「人間の安全保障や平和構築」の分野で日本が貢献することが何故重要なのかを、より多くの日本の有権者に理解してもらえるよう努力することが重要だと述べられました。また悲惨な人道状況が続くガザ紛争について、一刻も早い停戦と人道支援の再開を日本政府としても求めていることを強調されました。

講演の後、米国政治を専門とする前嶋 和弘・本学総合グローバル学部教授から、米国のトランプ大統領の外交姿勢や、関税政策に関する解説がされ、「米国が海外支援や国際機関からリトリート(撤退)していく中で、日本が国際秩序の維持のためにより大きな役割を果たせるかが問われている」と力説されました。その後、上智大学の学生を中心に10人以上が質問を行い、山田議員と前嶋教授、司会の東教授の間で、活発な議論が行われました。
最後に東教授が、「山田賢司副幹事長が強調されていた、『世界全体の繁栄が日本の繁栄に繋がる』という考え方は、日本のどんな場所で働いていても当てはまること。世界全体が平和になり経済が発展すれば、日本の貿易や投資も増え、それが日本人の生活の向上にも繋がる。そんな考え方を持てるかどうかが、今後の日本の発展にとって極めて重要」とまとめ、2時間以上にわたり、セミナーの講師を務めて下さった山田議員に改めて謝意が述べられ、セミナーを終了しました。