オンライン型国際協働学習プログラム(COIL)の成果と展望を考えるシンポジウムを開催しました

2022年12月15日、本学四谷キャンパス2号館国際会議場において、COIL国際シンポジウム「人間の安全保障と多文化共生に係る課題発見型国際協働オンライン学習プログラム」をお茶の水女子大学、静岡県立大学と共同して開催しました。オンライン及び対面で開催されたシンポジウムには、COILに関心のある教育関係者など約90名が参加しました。 上智大学、お茶の水女子大学、静岡県立大学の3大学は、平成30年度(2018年度)の文部科学省「大学の世界展開力強化事業-COIL型教育を活用した米国等の大学間交流形成支援-」に共同申請し採択されました。構想名称は「人間の安全保障と多文化共生に係る課題発見型国際協働オンライン学習プログラム」です。これまで3大学および米国10大学が連携して補助事業期間5年間をともに運営してきましたが、本展開力事業の最終年度となる今年度に総括としてシンポジウムを開催しました。

開会挨拶をする曄道佳明学長
成果報告をする伊呂原隆学務担当副学長

シンポジウムは、曄道佳明 上智大学長からの開会挨拶、渡辺栄二 文部科学省高等教育局参事官(国際担当)からの挨拶で始まり、その後2部構成のプログラムが行われました。
第1部では、まず事業責任者の伊呂原隆 上智大学学務担当副学長が、米国連携大学と3大学の連携体制の下で展開した教育プログラムの取り組みと成果を4つのプログラムを基に報告しました。4つのプログラムとは、①COILを活用したモビリティ・プログラム、②国内循環型の留学生受入プログラム、➂授業科目へのCOIL導入の促進、④Jesuit Worldwide Learningとの連携による国境を越えた教育格差の解消に資する取り組みです。これら4つの多層的な教育プログラムにより、学生はそれぞれのニーズに応じて柔軟に参加することができ、また、留学が難しい学生も、キャンパスにいながらにして、COILを通して米国の大学と協働学習できるなど、グローバルな学びを拡充したと振り返りました。
さらに今後の展望として、COILが「学びと教育の自由度を向上や、多様な国際学習の機会の提供」を実現するという3大学の共通認識の下、事業終了後も各大学において全学的な実践と発展に取り組んでいくと強調しました。また、3大学はこれまで築いた教職員のネットワークを貴重な財産として今後も協働し続けるとともに、本事業で開発された3大学合同の米国ゴンザガ大学オンラインプログラムを事業終了後も連携して実践していくと報告されました。
この他に第1部では、COILを担当した3大学の教員から多様な導入事例の紹介と、その受講学生たちのパネルディスカッションが行われ、学生の経験に基づいたCOILの学習効果も共有されました。

3大学教員によるCOIL事例報告(左から 森山新 お茶の水女子大学国際教育センター長、根岸まゆみ 静岡県立大学看護学部看護学科講師、吉野八重 上智大学総合人間科学部看護学科准教授、李ウォンギョン 上智大学グローバル教育センター特任助教)
COIL受講学生パネルディスカッション(左から 橘川由依さん上智大学経済学部経営学科2年、前田空さん、山口祐奈さん上智大学総合人間科学部看護学科4年、田上湖都さん お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科理学専攻修士課程2年)
3大学副学長パネルディスカッション(左から 上智大学:伊呂原隆 学務担当副学長、お茶の水女子大学:石井クンツ昌子 理事・副学長、静岡県立大学:富沢壽男 副学長(国際交流担当))

第2部では、3大学の副学長(上智大学:伊呂原隆 学務担当副学長、お茶の水女子大学:石井クンツ昌子 理事・副学長、静岡県立大学:富沢壽男 副学長(国際交流担当))のパネルディスカッションが行われ、3大学連携の成果と今後の展望、オンライン教育の現状と今後の可能性についての意見交換とCOILに関心のある他大学に向けてメッセージがおくられました。
最後は、お茶の水女子大学石井理事・副学長から事業の総括、静岡県立大学富沢副学長の閉会挨拶でシンポジウムを締めくくりました。

3大学副学長とモデレーター:出口真紀子上智大学グローバル教育センター長
3大学COIL担当教員、受講学生、モデレーター:澤崎宏一 静岡県立大学国際交流センター長、総合司会:水谷裕佳 上智大学グローバル教育センター教授

シンポジウムはこちらの録画動画から視聴できます。(録画公開は2023年3月31日まで)
日本語
https://youtu.be/V8B8XZV2gDo
同時通訳(英語)
https://youtu.be/PmsqbOXaKVc


上智大学 Sophia University