3月3日、上智大学は2回目となる模擬アフリカ連合会議(模擬AU)のローンチ・イベントを開催しました。模擬AUはアフリカ連合(AU)加盟国の協議を学生たちが各国代表に扮して議論を行うことを通じ、若者が主体的にアフリカ諸国の持続可能な発展とパートナーシップについて考えるイベントで、上智大学、国連開発計画(UNDP)、国際協力機構(JICA)が共催しています。
2024年8月23日に開催された第1回模擬AUは、「グリーンなアフリカに向けた若者の解決策」というテーマのもと、アフリカ32ヵ国と国内の大学生およそ140人がアフリカ諸国の代表として、政策立案に挑戦しました。
第2回模擬AUのテーマは、「Inayojumuisha(※): 若者の共創、アフリカの未来を形作る」。第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に合わせて、2025年8月20日から22日まで横浜で開催される予定です。若者の声がアフリカ大陸の未来を切り開く中心的な役割を果たすと捉え、統一と繁栄のビジョンを描きながら、多様性、連帯、相互理解をさらに促進する場となることが期待されています。
※スワヒリ語で「包括的」「包摂的」を意味。
今回のローンチ・イベントでは、日本とアフリカの学生たちのディスカッション、第1回模擬AUでの学びや課題の共有、第2回模擬AUの概要説明などが行われました。
冒頭、曄道佳明学長の開会挨拶に続いて、外務省アフリカ部参事官の村上顕樹氏による来賓挨拶があり、日本とアフリカ両国が共創する貴重な機会として、第2回模擬AUへの期待が語られました。


最初のプログラムでは、「模擬AUの概要」をテーマとして第1回模擬AUに参加した学生らによるトークセッションが行われました。モデレーターを務めた前UNDP駐日代表の近藤哲生氏に加え、前回の最優秀団体賞を受賞した一高学仁氏(東京大学教養学部1年)やラポルトゥールを務めた細川未智氏(本学経済学部3年)ら5名の参加学生が、第1回模擬AUの振り返りや参加経験を共有しました。
セッションでは、アフリカに対する根強いネガティブな固定概念が未だ存在していること、日本とアフリカ双方の若者が共創することの重要性が語られました。さらに、第2回模擬AUへの参加者に対し、「十分な準備と俯瞰的な視点を持ち、限られた時間内で議論を深めてほしい」「できるだけ多くの人たちと関わり、交流し、社会にインパクトを与えてほしい」といったエールが送られました。
続いて、前回会議の様子を収めたビデオで上映されました。その後、国連開発計画(UNDP)総裁補兼アフリカ局長のアフナ・エザコンワ氏が登壇し、世界のさまざまな課題解決に向けた新世代リーダーや新たな外交手法の必要性、そして資源や金融分野を含む相互依存の重要性について語りました。また、TICAD9に向けた期待とともに、今後も国際協力の取り組みを積極的に支援していく考えを示しました。


最後のプログラムでは、グロリア・カムウェジ氏(北海道大学環境科学院/ Ms.Gloria KAMWEZI, Graduate School of Environmental Science, Hokkaido University)、中島大雅氏(東京大学教養学部2年/ Mr. Taiga NAKAJIMA, sophomore at The University of Tokyo, College of Arts and Sciences)から、第2回模擬AUの概要説明が行われました。その後、模擬AU実行委員会および日本模擬国連代表を務める大野秀征氏(慶應義塾大学法学部政治学科3年)が登壇し、第2回模擬AU開催を祝福するメッセージを贈るとともに、グロリア氏と中島氏に実行委員会としての認証を授与しました。
閉会の挨拶では、独立行政法人国際協力機構(JICA)理事長特別補佐の中村俊之氏が登壇。「各国の若者世代が新たなパートナーシップを構築し、新たな価値の創造や、先進国と発展途上国の双方において生じ得る将来の課題解決策を提言してほしい」と呼びかけ、イベントを締めくくりました。

