「レンガ募金」を通じて世界各国からの寄付で建造されたキャンパスのランドマーク

上智大学(東京都千代田区、学長:曄道 佳明)四谷キャンパスの1号館が、2024年6月14日付で、東京都選定歴史的建造物に選定されました。東京都選定歴史的建造物は、歴史的な価値を有する建造物のうち、景観上重要なものとして、東京都景観条例に基づき、東京都知事が選定したものです。

選定に当たっては、①原則として建設後50年以上経過している、②地域のランドマークとしての役割を果たしているなど東京都の景観づくりにおいて重要、③可能な限り建設当時の状態で保存されている、④外観が容易に確認できる、の4つの基準が設けられています。

上智大学1号館 廊下

上智大学1号館は、1932(昭和7)年に竣工。第二次世界大戦中の東京大空襲を免れ、現在に至ります。

大正から昭和初期にかけて、日本各地のカトリック教会を設計したスイス人の建築家マックス・ヒンデルが手がけたドイツ風の学校建築で、ヒンデル作品の残存例として貴重であることが評価されました。竣工当時はエレベーターも設置されるなど、最新の設備と重厚な建築で知られた建造物であり、現在まで四谷キャンパスを代表するランドマークとして親しまれてきました。

1号館建設の背景

1号館建設のためのレンガ募金帳

1号館の定礎式は1930年に行われ、その建築資金の調達のために海外で寄付を募ることとなりました。 この募金活動を主導したのはドイツ人のブルーノ・ビッテル神父。ドイツだけでなく、オランダ、フランス、アメリカなどのカトリック教会・学校に対して寄付を呼びかける用紙を送付しました。

「レンガ募金」と名付られたこの募金活動では、各レンガに寄付者の署名が記されました。複数のレンガに署名をして多額の寄付をしてくださる方もいました。この募金の記録は、現在も上智学院ソフィア・アーカイブズで保管されています。

 


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